森井 駿太郎選手 (佐久長聖)

寸評

　恵まれた体格を生かして、旧チームから4番を任されていた強打者。特に、荒削りながら長打力溢れるバッティングが自慢です。 （第一印象） 　強打者としての雰囲気を持った選手で、いかにも強打者といった感じです。技術的には課題も多いのですが、小さくまとまって欲しくないですね。 （守備・走塁面） 　一塁までの塁間は、4.65秒前後と遅く、これを左打者に換算しても4.4秒前後と走力は期待できません。そのため守備範囲は広くなさそうですが、打球への落下点への迷いのない入り方やキャッチングも安定しており、地肩もそれなりに強そうです。そういった意味では、守備ではマイナス評価を与えられる選手ではないと思います。 （打撃内容） 　昨夏の小諸商業戦では、残念ながら3打席しか確認できませんでした。そのうち一打席は、四球だということでよくわからない部分も少なくなかったです。投手の重心が沈みきったあたりで始動する選手で、本質的には中距離タイプの打者ではないかと考えられます。 ＜長所＞ 　前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。両目でしっかり前を見据えて構えられているのが良いですね。始動にも余裕があるので、速球でも変化球でも合わせられる、打撃の幅を持っています。 ＜課題＞ 　踏み込んだ足元がブレてしまったり、バットを引くのが遅く「トップ」の形をつくるのが遅れたり、バットの振り出しも体から離れて軌道したりと技術的には課題が多い選手です。上手くタイミングあって巻き込めた時に、非凡な長打を発揮するのではないのでしょうか。その確率が、今の打ち方だと極めて低くなってしまいます。

将来の可能性

　上手く引っ張り込めた時は長打力を発揮できますが、外角への厳しい球や逃げてゆく球に対しては、ボールを引っ掛けてしまうことも少なくないでしょう。ただ救いとしては、守備が安定している点と長打力がある部分。この長所を生かしつつ、欠点克服に励んで欲しいですね。貴重な強打者候補として、今後の更なる飛躍を期待してやみません。2012年度の、長野を代表する強打者だと思います。