阿部 健太郎選手 (帝京)
寸評
昨夏は2番セカンドに座り、素晴らしい脚力とフットワークの良い二塁守備を見せていた阿部 健太郎。新チームからショートへコンバート。ただ私が見た試合では昨年よりも打撃面、守備面で精彩を欠いている印象を受けた。 (打撃) スタンスはスクエアスタンス。グリップは身体の近くに置いて背中を丸めて構えている。昨年まではしっかりと背筋を伸ばしていたが、身体を屈めているのが気になる。 投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、ノーステップで踏み込んでいく。ただしっかりとタイミングを測ることが出来ておらず、ステップも窮屈なステップになっており、下半身の力を伝えるのが難しくなる。 トップの動きを見ていくとバットを寝かせて、ヘッドのしなりを活かしたスイングをしているが、後ろが硬い動きになっており、ポイントが限られる打撃になってしまう。昨年から打撃が課題と評したが、昨年よりもリストワークが硬い打撃になっており、安定した結果を望むのは難しい形であった。 (守備・走塁) 二塁から遊撃へ。イキイキとプレー出来ていた二塁と比べると安定感がない。足の運び、フットワークは悪くないが、上手いショートと比べると腰を据えてプレー出来ていない。地肩があまり強くないので、深い位置から刺すのは難しそうで、遊撃向きではない。上のレベルでは二塁に落ち着くタイプだろう。 塁間タイムは4.00秒~4.10秒前後を計測。左打者としては中々の俊足。昨年から鮮やかに盗塁を決めており、攻撃の起点となっていたが、打撃不調のため7番。本来ならば上位打線で出ていなければならない選手だ。
更新日時:2012.04.27
将来の可能性
他の帝京の野手には「足」を持っていた選手なので、成長を楽しみにしていたが、どうも打撃の方向性に迷いが見受けられた。打撃の不調が彼本来の思い切りの良いプレーが失われ、どうも受身なプレースタイルに終始していたのが気になった。とにかく本来の積極性あるプレースタイルを取り戻すのは打撃。もう一度打撃スタイルを見直し、どんな投手にも対応出来る柔軟な打撃スタイルに拘っていきたい。夏に再び彼らしい足で相手校を錯乱し、帝京のチャンスメーカーとして大暴れすることを期待したい。
更新日時:2012.04.27
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