吉村 昂祐選手 (天理)

吉村 昂祐

球歴:天理

都道府県:奈良

ポジション:遊擊手

投打:右 / 右

身長:188.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

寸評

 日本人の遊撃手としては、破格なサイズの 吉村昴祐 。手足の長さと強肩を活かしたダイナミックな遊撃守備と近畿大会の準決勝・決勝で2本塁打を放ったように、パンチ力を秘めた強打で魅了する大型遊撃手。 (第一印象)  想像どうり、これだけ大きな選手だけに、何処かプレーがのほほんとした緊張感のない印象を受けます。しかしこの体格でも名門のショートを任されているだけあって、思った以上に動ける身体能力に、驚きは隠せませんでした。いかにもプロが好みそうな、スケール型の選手です。 (守備・走塁面)  一歩目の鋭さや広い守備範囲はありませんが、通常の選手が届かないような打球でも、長い腕を伸ばして捕ってしまうと特殊なプレーができます。また強肩で、深いところからの返球にも、乱れが少ないのが魅力。新チーム結成以来の34試合で、失策は2個と安定感があります。この選手は捌ける範囲は狭そうですが、自分が届くボールに関しては安定して処理できる能力があるようです。上のレベルの遊撃手としては、スピード感や身のこなしの点で難しいと思います。しかし三塁もしく外野あたりならば、その身体能力からも、基準以上の選手になれる可能性を感じます。  ただ走力に関しては、正確なタイムは計測できず。ただ実際のプレーを見るかぎり、足を売りにするようには見えません。新チーム結成以来の34試合で、盗塁は僅かに1個。プロの1シーズンに換算しても、4個ぐらいと走力は期待できません。そう考えると将来的には、三塁・一塁・左翼あたりに限定されそうです。 (長所)  強打者らしく始動が遅めで、長距離打者のタイミングで動き出します。またベース側にインステップして踏み込み、外の球を強く意識したスタイル。少々内角の捌きは窮屈そうですが、少しぐらい外目に投げても、他の人が届かないようなところまで腕が伸びてヒットにしてしまう特徴があります。また踏み込んだ足元はブレず、外の球にも開かず捌くことができます。 (課題)  打撃の準備である「トップ」は、早く深く取れています。しかしバットの振り出しは体から離れ気味で、スイング軌道が遠回り。バットの先端であるヘッドも下がり気味で、なかなかフェアゾーンにボールを落としにくいスイングになっています。そういったボールを捉えるセンス・技術に課題を残し、粗い・脆い印象は否めません。
更新日時:2012.01.30

将来の可能性

 まだスラッガーといった印象はありませんが、始動が遅く長距離打者になれる資質は秘めていると思います。ただそのためには、スイングの弧を大きく取り、バットをしならせるようなスイングも必要ですし、フォロースルーを生かしてボールを上手く運ぶ術も身につけないと厳しいでしょうね。  体も大きく三塁手あたりならばこなせそうな身体能力もありますから、スカウトとしては興味深い素材かもしれません。ただ実際のプレーを見ていると、危機感が感じられず、普段の所作からも「鋭さ」は感じません。そう考えると、この選手の才能が花開くのは、大学や社会人など、次の段階に入らないと厳しいかなと思います。あくまでも心技体すべてに関して、まだ素材型の域を脱していない気が致します。夏までに、そういったプレーにどのような変化が出てくるのか、期待して見守りたいですね。
更新日時:2012.01.30

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