山本 竜也選手 (天理)
寸評
エース 中谷佳太 の状態が悪く、選抜の健大高崎戦では2回途中からロングリリーフしました。MAX145キロと評判のストレートに加え、カーブ・スライダーを織り交ぜ、オーソドックスピッチングで投球を組み立ててきます。 (第一印象) 非常に癖のないフォームから投げ込む、正統派といった感じでした。ただストレートの勢いは良かったのですが、何かアクセントになる特徴が欲しいかなと、物足りないものを感じたのも確かです。 (長所) ボールを両サイドに散らせて、打たせて取るのが身上のようです。特に真ん中近辺の、甘いゾーンにボールが集まらないのが彼の好いところ。 グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。足の甲の地面への押し付けも悪くなく、ボールもさほど上吊りません。ボールも比較的前で放せており、ある程度思い通りのコントロールできるタイプだと考えられます。控え投手で球速もあるタイプと訊いていたので、もっと荒れ荒れの投手かと思っていたのですが、かなりまとまったタイプの投手でした。 (課題) それほど甘いコースにボールが入って来ないのに、被安打が多かったのは何故か?それは、やはりフォームに嫌らしさがなく、タイミングを取るのに苦労しない。あるいは、ボールが出所が見やすいなどの、相手に嫌がられるフォームで投げられないからだと考えられます。 投球フォームが素直なだけでなく、配球も単調だったり、投球テンポも常に一定で同じタイミングで待つことができます。もう少しピンチの時こそ、「間」を意識できる精神的な余裕と、間合いを活かした投球ができると、かなり現在ある力でも、投球内容は変わってくるのではないかと思います。
更新日時:2012.03.29
将来の可能性
ストレートには好いものを持っているので、あとはそれを活かす投球の術を磨いて欲しいと思います。特に相手に嫌がられる、他を意識した投球を夏に向け磨いてゆけば、その投球内容も変わってくるでしょう。今までは、自分との戦いで精一杯だったようなので、もう少し視野を広げた投球を心がけたいですね。 そういう意識で日頃から野球に取り組んでゆけば、高校時代だけでなく、更にその上のレベルでの野球に進んだ時にでも、その才能が必ず開花すると期待しております。もっともっと、投球の幅を広げられる。それは、伸びしろがたくさん残されているということ。少し長い目で、彼の成長を見守ってみたいと思いました。
更新日時:2012.03.29