佐藤 竜一郎選手 (作新学院)

佐藤 竜一郎

球歴:作新学院

都道府県:栃木

ポジション:遊擊手

投打:右 / 左

身長:180.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 甲子園での活躍で、一躍プロからも注目されるようになった 佐藤 竜一郎 。元々大会前までは、プロから注目されるほどの選手ではなかった選手。それ故に、緒戦(2011年08月08日)のホームランや好守だけで高く評価するのはどうだろうか?何試合観た上で、冷静に考察してみた。 (守備・走塁面)  一躍プロからも注目されたのは、180センチの大型遊撃手ながら、実に一歩目のスタートの良い遊撃守備にあるからだろう。打球への反応が良いだけでなく、しっかりボールの正面に回りこみ、基本に忠実な捕球を心がける。冷静に状況に応じた判断もでき、地肩もかなり強い。ことプロの関係者ならば、大型内野手として育ててみたいと思わせる素材であるのは間違いない。少なくても遊撃手としては、非常にスケール感のあるプレーヤーだ。  ただ左打者にしては、走力があるようには見えない。私が計測したタイムは、多少緩めたとしても、一塁まで4.7秒もかかっている。これを本気で走り抜けたと仮定しても、4.4秒前後が良いところだろう。実際に栃木予選6試合で、盗塁は0個であることからも、上のレベルで足を売りにすることはなさそうだ。 (打撃内容)  甲子園でも一発を放ったように、リストが強くパンチ力を兼ね備えた中距離タイプ。栃木予選では、1本 8打点 打率.333厘。この夏の甲子園では、結局.261厘で終わっている。このことからも、それほど対応力が高い打者ではない気がするのだ。その辺は、技術的なものも見ながら考えてみたい。 <構え>  前の足をしっかり引いた、左オープンスタンス。グリップは平均的な高さに添え、腰の据わり・全体のバランス・両目でしっかり前を見据える姿勢は素晴らしい。特に打席では、程良い緊張感を保ちながらも、適度にリラックスできているなど、構えとしては良い構えだと評価する。 <始動>  投手の重心が沈みきったあたりで始動する、中距離打者のスタイルだ。そのためある程度の長打力と対応力を兼ね備え、勝負強さが一番の売りとなっている。実際彼のプレーを見る限り、そういった特徴が見られる。 <下半身の動き>  足を軽く浮かし、回し込んで来る。足をを上げてから下ろすまでの「間」を作ることで、いろいろな球にタイミングを合わせやすい。また真っ直ぐ踏み込むことで、内角でも外角の球にも対応。踏み込んだ足元がブレないことで、外の球にも開かずに我慢して捌くことができる。こと下半身の動きは、理想的に近い。 <上半身>  打撃の準備段階である「トップ」の形を作るのが、少し遅れてしまっている。これでは始動に余裕があっても、速い球に振り遅れてしまう。またトップを深く取れているのはいいのだが、体の奥にまでグリップが入り込んでしまい、バットの出がスムーズではない。バットは上から下に振り下ろされて軌道には大きなロスは感じられないのだが、もう少しバットの先端が下がらないようにヘッドを立ててスイングできると、もっとボールをフェアゾーンに落とせる確率が高まるはずだ。スイング自体の鋭さ・力強さは悪くないだけどに、無駄のないスイングを身につけたい。 <軸>  頭の動きは並で、それほど大きくは動いていない。開きも我慢でき、軸足も安定。やはり上半身の使い方が修正されれば、技術的には大きな欠点は見当たらない。
更新日時:2011.08.23

将来の可能性

 守備に関しては、プロの基準を満たすだけのものがあると言えよう。ただボールを捉えるセンス・しっかり打ち返す技術と走力には、まだ課題を感じる。そういった意味では、三拍子の総合力が求められる中距離タイプだけに、少々物足りない気がするのだ。  まずは、良い投手との経験を多く積み、確かな実績を残してからでも、プロを意識するのは遅くはないだろう。その日が来るまで、もう少し静かに見守って行きたい。
更新日時:2011.08.23

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です