髙橋 大樹選手 (龍谷大平安)

髙橋 大樹

球歴:龍谷大平安

都道府県:京都

ポジション:捕手, 外野手

投打:右 / 右

身長:181.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

 2012年度屈指のスラッガー高橋 大樹。やはり甲子園の一発は強烈で、将来のスラッガーと胸を膨らます一発であっただろう。私もあの長打力は守備の拙さに目をつぶってでも伸ばしてあげたいという印象を受けた。私は捕手・高橋大樹を見ていないので、捕手としての評価は出来ないが、打者として彼を高く評価する。 (打撃)  彼は果敢にフルスイングが出来ること。とにかく長打を売りにする打者はとにかく自分のスイングをすることだ。それが出来る彼の姿勢はとても良い。全体的に早打ちする傾向がある。  スタンスはスクエアスタンス。グリップを高めに置いて構えるスタイル。懐が深く、しっかりと背筋が伸びており、無駄な力が入っていない雰囲気を感じさせる構えだ。  投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を回しこむように上げて、やや軸足に体重をかけて振り出していく。  トップの動きを見ていくと身体の奥に入りすぎており、ヘッドを投手方向に向ける。また背中を大きく向けて、左肩が中に入る。インコースの捌きは難しく、ロスが多い動作をしているので、ハイレベルな投手のストレートのスピードに対応出来るのか? 彼は捻りを入れて、腰を鋭く回転させて豪快に振り抜いていく。ヘッドスピードの速さは今年の高校生では群を抜いており、打球を遠くへ運ぶ技術が優れている。  型なんて全く気にしない豪快なスイング。それでもフォローが効いた豪快なスイングをしており、打球を飛ばす能力は今年の高校生ではトップクラスだろう。尋常じゃない打球速度の速さを見たら、もう金属バット持つなというぐらい速すぎる。  長打力だけだと思ったら、甲子園、京都大会決勝では低めの変化球を強引に引っ張って三遊間のゴロに終わらず、手元まで引き付けて、センター返し出来る打撃を実現出来ており、ただ飛ばすことだけに頭がある選手ではないようだ。4番の役割をしっかりと理解し、ホームランではなく、適時打、つなぎの打撃が出来る融通性を持っているのは評価出来る。  長打力ならば、ドラフト指名レベルに達していると思うが、チェックポイントを決めていきたい。 ・インコースの捌き ・140キロ以上のストレートの対応 ・下半身の充実 ・状況判断が長けた打撃 の4ポイント。彼がどのようにしてインコースを捌くか。そして彼が対戦した投手はみな、140キロを超えない投手ばかりで、サンプルが少ない。彼は下半身がどっしりとしていない。上半身の筋肉、稼働域の広さは非凡だが、まだ下半身の強さがない。上半身と下半身のバランスが取れていくと、もう少し打撃に安定感が出てくる。後は状況判断が長けた打撃。今でも状況に応じた打撃は出来ているが、いわゆる簡単には凡退しない打者になることだ。  甲子園のホームランで、彼のスラッガーとしての素質に惹かれ、京都大会決勝で、彼の融通性のある思考に惹かれた。京都大会の打撃内容が評価をより高めた。 (守備・走塁)  捕手としてのプレーは見ていないので、はっきりとした評価は出来ないが、捕手としての評価はあまり良い評判を聞かない。長打力は銀仁朗以上、捕手としては銀仁朗以下と評される。スローイングタイムは2.0秒切ることはない。2.2秒切ることさえないようだ。  彼は京都大会準決勝以降から外野に回された。理由は彼には隙が多すぎるからだ。正捕手として迎えた秋、京都大会立命館戦では暴投などが絡み、逆転負け。捕手としての力量の足りなさを痛感した現在では、捕手の練習に真剣に取り組んでいるようだ。  捕手の力量については実際に彼が捕手をする姿を見て、是非を述べるとして、外野手としての高橋である。正直言って外野手としてもまだまだだ。打球の追い方、落下地点に入るまでのスピードは巧い外野手と比べると見劣りするし、時間がかかるタイプ。地肩自体は強そうだが、トータルで見るとまだまだ。外野手としても一流になるまで時間がかかる選手だ。拙さが見えても、長い目で見ていきたい。愚直に練習に取り組める姿勢はあると思うので、上手い外野手になっていくと思う。  彼の評価を高めているのは俊足であろう。銀仁朗にはない脚力を持つ彼は京都大会で5盗塁を決めている。盗塁のタイムを計測したら、3.4秒で、3.30秒に0.1秒遅いが、高校生としては中々速いタイムであり、将来的には走れる野手になれる可能性を秘めている。脚力が高いことは高く評価出来る。
更新日時:2012.02.25

将来の可能性

 豪快なフルスイングから放たれる飛距離といい、状況判断に応じた打撃といい、高校生打者としては高い評価が出来るだろう。まだロスのある打撃フォームで、ハイレベルな投手の対戦の対応力が気になるが、全国的に見て、彼ほどスケールのある右打者はいない。高卒プロを視野に入れるべき選手であろう。  個人的には外野手一本にして名手と呼べる外野手までに成長させていった方が良いと思う。彼と兼任する戸嶋捕手も良い捕手だ。とはいえ、まだ高校生だから、外野手よりも本人が希望する捕手を経験させた方が、野球の見方も深まると思うし、良い経験になるだろう。ただ捕手・高橋をアピールするならば、厳しく見ていくつもりで、キャッチング、スローイング、インサイドワーク。すべてにおいて高い水準を求めていってほしいと思う。  これほどスケールがあり、ワクワクさせる逸材もなかなかいない。今年はすべてにおいてスケールのある選手になっているか、ぜひ注目していきたい。
更新日時:2012.02.25

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