小山 尚哉選手 (山形中央)

寸評

　腕っぷしが強いプルヒッターで、初球からガンガンバットを振って行く積極性が、この選手の最大の持ち味。昨夏は、2年生ながら5番・右翼手として大会に出場し、甲子園の舞台も経験いたしました。 （守備・走塁面） 一塁までの塁間を4.25～4.0秒ぐらいで到達する、超高校級の脚力の持ち主です。彼は右打者ですから、これを左打者に換算すると、3.95～3.70秒に相当し、プロレベルでもトップクラスのスピードがあることになります。ただ実際に走塁技術などをみていると、まだまだ荒削りで、上のレベルで盗塁をバシバシ決められるほどの技術には欠けている気が致します。 右翼手としては、打球の反応・キャッチングなどの動きは平均的。地肩が、イマイチなのが残念なところです。非凡な走力に、地肩も兼ね備えていれば、バリバリのドラフト候補として話題になりそうなのですが。 （打撃内容） 腕っぷしの強さを活かし、思いっきりボールを引っ張りに行きます。かなり荒っぽい打者であり、対応力や打撃の幅に課題を感じます。ただ思いっきりバットは振りますが、けして長距離打者ではありません。 　スクエアスタンスで、どっしり構えます。仕掛けが「遅すぎる仕掛け」を採用しているので、どうしても一定レベル以上の投手の球に、差し込まれやすい傾向にあります。足を浮かしてから、踏み込むまでの「間」がないので、打てるタイミングは限られます。線でボールを捉えるのではなく、点で狙い澄ましてたたくタイプ。そのため甘い球を、逃さず叩く「鋭さ」が求められます。ただ踏み込んだ足下が、早く地面を離れてしまうので、どうしても外の球を我慢して捌くことができません。したがって真ん中～内側の球を引っ張るのみと言う、極めて打てる幅が限られた打撃になります。 　打撃の準備段階である「トップ」は、早く作れております。ただバットを振り出す時に、少し遠回りのスイング軌道でまわるので、どうしてもボールを捉えるまでにロスを感じます。それでもボールを捉えてからは、思いっきりバットを振り切る爽快感がある選手。ボールを捉えるまでの技術を、いかに改善できるのかがポイントでしょう。

将来の可能性

右打者でありながら、一塁まで到達すると言う意味では、全国でもトップ級の素材です。ただその走力を活かす走力・守備力には、まだまだ課題を残します。また打撃も打てるポイントが限られており、対応力に大きな課題を抱えます。 　この課題を、夏にまでに改善できるのか？と言われると疑問であり、この選手は、少し長い目でみてみたい選手です。ただガッツのある選手ですので、カベをどんどんぶち壊してくれる逞しさにも期待です。