笛田 怜平選手 (鹿児島南)
寸評
2011年度の鹿児島において、非常に楽しみな投手がいる。その男の名前は、笛田 怜平。重心を深く沈めたスリークオーターから、Max142キロの快速球を投げ込んで来る。 (投球内容) これまであまり話題になってこなかったのは、昨夏までは上級生二人が140キロ台のストレートを投げ込んでおり、普段は内野手として出場。それほど目立つ働きをしてこなかったことも影響しているのでは。まして秋の大会も故障明けで、比較的早く姿を消したから。一冬越えた成長を、これから徐々に示してくれるはずだ。コンスタントに、130キロ台後半~MAX142キロを記録するストレートにはキレがある。その快速球に加え、変化球も、スライダー・チェンジアップ、カーブなどを、両サイドに散らせるコンビネーション。一見荒削りな印象も受けるが、ボールは適度にコースに投げ別けられ、クィックも1.0秒台と高速で、牽制などの動作も鋭い。それほど投球センスは感じさせないものの、投手としてのセンスにも大きな問題は感じさせない。そのため、ただ球の速いだけの投手と言うわけではけしてない。 (投球フォーム) 引き上げた足を、比較的高い位置でピンと伸ばすことで、お尻の一塁側への落としは悪くありません。そのため将来的にも見分けの難しい本物のカーブや縦の変化も修得できる可能性も感じるのですが、腕の振りがスリークオーターなので、そういった球種を投げ込むのは現状難しそうです。 またグラブの抱えが、最後後ろに抜けてしまっているので、しっかり抱え切れていない点が気になります。そのためどうしても、両サイドへの制球も大まかになってしまいます。足の甲の押しつけは深いのですが、膝小僧に土が着いてしまうほど重心を沈ませているので、その効果も薄くボールが高く抜けるのを抑えられない時があります。 体の開きなどは、特に早いとは思いません。ただ残念なのは、テイクバックした時に肘が両方の肩を結ぶラインよりも下がってしまっていて、どうしてもボールを押し出すようなフォームになってしまっています。その辺が、体を痛める一つの要因ではないかと考えられます。球持ちも少し浅く投げ終わったあとのバランスも悪いので、その辺が細かい制球力が安定しない要因ではないのでしょうか。
更新日時:2011.05.16
将来の可能性
素材としては、充分にドラフト候補としての可能性を感じさせます。ただ総合力と言う意味では、まだ物足りなかった昨夏。一冬越えてどのぐらい伸びているのかで、その評価は変わってきます。まずは、 1,テイクバックした時に、肘が下がらないこと 2,グラブを最後まで抱えきること この二つのことを意識すれば、体への負担を軽減し、夏の予選での負荷も少なくなる可能性が高まります。またグラブをしっかり抱えることで、バランスの悪いフォームを修正し、両サイドへの制球も安定するでしょう。まずは、そこから初めてもらいたい投手です。 順調に伸びてくれば、夏までに多いにその名前がクローズアップされくるはず。そんな期待を持って、今後の成り行きを見守ってみたいと思います。
更新日時:2011.05.16
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