川満 昂也選手 (興南)

寸評

フォームをまとめると、セットから足を勢いよく上げる選手、この時膝はショート方向に向きつま先は二塁方向に向いていて捻ることを意識している。軸足の膝も適度に曲がっていて変な力みは見られない。そして足を勢いよく伸ばし反動をつけ、軽くお尻を落とし真上から角度をつけて投げ込んでくる。グラブ側の手も斜めに大きく使って投げており体の開きを抑えつつフォームを上手くリードしている。足は曲げて着地するタイプだ。開きも早くないだろう。腕の振りや手首もしなやかさがあり、腕も肘から出ているであろう。グラブもしっかり抱えられ投球後のバランスも良い。印象としてはゆったりとしたというより勢いがあるフォームという感じで、中学の時短距離で県上位に入ったというだけあって瞬発力を感じさせるフォームだ。やや突っ込んでしまう面も見られるものの大きな癖はない。 特徴的なのは腕の振りで強烈に振ってくる。それでいてしなやかさがあるので、直球の球質もスピンがかかっており手元でもしっかりと伸びてくる。甲子園でも最速142ｷﾛをマークし空振りを奪うだけの威力はあり、勢いで振らせるだけではなくコーナーをズバッと突いて見逃し三振を奪うなどの投球も今秋は見られるようになった。 変化球はスライダー・カーブ・フォークとあり、決め球としてはフォークが威力を発揮している。落差が大きいというわけではないが、打者の手元でストンと落ちるので簡単には見極めさせてはくれない。また、上手くカーブやスライダーも交ぜて組み立てることが出来ており、フォークばかりに頼った投球では必ずしもない。 クイックなどもしっかりと纏められ、牽制もまずまず。中学時代にショートを任されていたこともあってフィールディング等は素早く落ち着いている。こういった部分の動きを見ると野球センスに優れたタイプである印象だ。 マウンド捌き等も洗練されており破綻はない。察知能力や勘の鋭さもる選手だ。 以前はややひ弱で脆さがあった印象であるが、短いイニングとはいえ大舞台を経験し新チームのエースになったことで自覚が芽生えそういった部分が払拭されてきたように感じます。

将来の可能性

既にフォームや投球の型はできている投手です。腕を強く振っているため肩などに負担が大きそうなフォームであるのでしっかりとケアはして欲しい。 あとは体を作ってよりキレを磨いてくれば簡単に崩せない投手になると思います。ややスタミナ面で不安があるように感じるので鍛えて連投に耐えうるだけの力を付けて欲しい。本人もプロに行きたいという気持ちがあるようなので意識を高く持ち伸びていってもらいたいです。高卒で行くには体格面で物足りなさがあるので将来的な視点を含めて実力を付けて欲しいです。