秋田 教良選手 (光星学院)

秋田 教良

球歴:光星学院

都道府県:青森

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:175.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

昨夏から選抜の間に、課題を着実に克服し成長を魅せた 秋田 教良 。選抜から5ヶ月、更に大きくなって甲子園に戻ってきた。甲子園決勝(2011年08月20日)までチームを押し上げた男の、最後の夏を振り返る。 (投球内容)  中背の体格ながら、春より更にガッチリとした体つきになってきた。スリークオーターから勢いのあるフォームをベースに、外角で微妙な出し入れができる高い投球術が、この選手持ち味。完成度の高いピッチングは、高校球界トップクラス。  ストレートは、カウントを整えるときは130キロ台後半ぐらいだが、勝負どころでは145キロ近いストレートで相手を仕留めに来るメリハリの利いた投球。選抜の時は、そこまで投球にメリハリを感じることはなかった。130キロ台のカットボールに、120キロ台のスライダー・チェンジアップ・カーブなどを、コンビネーションの中に巧み織りまぜて来る。  軽快なフィールディング、鋭い牽制、1.1秒台で投げ込んで来る素早いクィックなど、投球動作以外にも隙がない。勝負どころでのメリハリ、外角へのボールの出し入れなどの巧みな投球術は、まるで社会人の投手のような配球をして来る。高校生としては、極めて試合を作れる投手だと言えよう。  この投手の素晴らしいのは、左打者内角を厳しく突くカットボール、右打者外角に決まるストレートと外角低めに決まるスライダーにある。その一方で、左打者への制球がアバウトな面があり、甘く入る球も少なくない。また上背がない上にスリークオーターの球筋は、イニングを重ねるに連れ打者は馴れてきてしまう側面がある。 (投球フォーム) <広がる可能性>  引き上げた足を地面に伸ばすフォームであり、お尻を一塁側に落とせない。そのため見分けの難しいカーブの修得やフォークのような縦に鋭く落ちる球種の修得は、将来的にも難しいだろう。ただ彼の場合は、すでにカーブに関しては、見分けが難しいほどの腕の振りで投げ込める。ただ無理のあるフォームの上で投げ込んでいることを認識し、アフターケアには十分注意してもらいたい。また「着地」までの粘りは平均的で、基本は速い球速の変化球を磨くことで、投球の幅を広げて行くタイプ。ただもう持ち得る引き出しを多く使ってしまっているので、これからどうやって投球の幅を広げて行けるのか注目したい。 <ボールの支配>  グラブを最後まで内に抱えられているので、両サイドの制球は安定。足の甲の押し付けもできており、ボールも低めに集まりやすい。「球持ち」も長く持てているので、指先まで力を伝えられ、自分の意志を上手くマウンドで表現できるタイプ。これからも、この繊細な投球を武器に、きめ細やかな投球をして行くことだろう。 <故障へのリスク>  先にも触れたように、お尻を一塁側への落とせない上でのカーブの使用は、体への負担が大きい。ただあくまでも緩急やカウントを取るために、たまに投げる程度なので問題はないだろう。腕の角度はスリークオーターであり、腕の角度には無理が感じられない。それほど力投して投げるタイプでもないので、大きな故障の可能性は少ないのではないのだろうか。 <実戦的な術>  「着地」までの粘りは平均的で、少し「開き」は早いかなという気はしている。それほどボールには角度がなく開きも早めなので、その球速やキレほど打者には苦にならないストレートという気がする。腕は鋭く体に絡んでおり、変化球と速球との見分けは難しい。課題は「体重移動」が上手くできておらず、上半身の振りでキレを生み出している点だ。もう少し体重を上手く乗せて「体重移動」できようになると、グッと球威のあるボリューム感のある球が行くことになるだろう。
更新日時:2011.08.23

将来の可能性

 細かい部分では課題があるものの、投手としての型はできており、かなり完成された投手です。逆に言えば今後の大きな伸びシロは少なく、素材としての面白味に欠けるとのきらいもあります。しかし年齢的には、もうワンランク上の球威・球速を望める余地は残されていると考えます。むしろ気になるのは、すでに多彩な球種を操り、ピッチングの幅を、今後どこまで膨らませて行けるのかの方が気になります。  それでも非常に貪欲に自分を向上させてきた選手ですし、非凡な野球センスを身につけています。その世界で生き残る術を敏感に察し、それを実現できることができる選手だと評価します。大学でも社会人でも、トップクラスのアマチュアで野球を続けて行ける素材。更にそこで何かを得れば、いずれはプロの可能性もあるでしょう。今後の活躍も、これまでどおり見守って行きたい投手でした。夏の全国準優勝は、まさに彼が努力で勝ち取った成果だと思います。
更新日時:2011.08.23

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