辻 東倫選手 (菰野)

辻 東倫

球歴:菰野

都道府県:三重

ポジション:遊擊手

投打:右 / 左

身長:180.0 cm

体重:76.0 kg

学年:卒業

寸評

 プロ野球選手を輩出してきた菰野高校の戸田監督が、プロに行ける器だと期待するのがこの 辻 東倫。柔らかいバッティングと大型ながら遊撃手を務める高い身体能力が魅力。 (守備・走塁面)  この夏の菰野高校の試合を二度ほど見ましたが、ほとんどショートにはボールが飛んで来ませんでした。ただ数少ないボールを飛んできたプレーを見るかぎり、打球への一歩目は鋭く、ランナーの動きをパッと把握して冷静な判断が目立ちました。ただもう一つの打球では、腰高なためトンネルをしてしまう場面で、まだまだ守備にもきめ細やかさはないのかなと言う印象です。地肩は投手としても期待されるぐらいですから、相当強いのだと思いますが、試合での送球を見るかぎり、それほど強そうには見えませんでした。あえて慎重にプレーして、力をセーブしていたのかもしれません。その動きは悪く有りませんが、まだまだ大型遊撃手ゆえの脆さもあるのではないのでしょうか。  一塁までの到達タイムは、多少緩めていたのでしょう。塁間、4.65秒前後と左打者としては、かなり遅い気が致します。実際本気で走れば、もっと早いタイムは出ると思いますが、足を売りにして行くタイプではなさそうです。 (打撃内容)  1年生の頃から4番で遊撃手として出場していた選手。ツボにハマればスタンドインのパンチ力も秘めているようですが、本質は変化球に合わせるのが上手い、柔らかいバッティングが魅力のアベレージヒッターといった印象です。 <構え>  前足を軽く引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰は屈めずにスッと立ち、両目で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては平均的でしょうか。その構えからも、下半身がしっかりして力強い打球を放つと言うよりは、リストワークを生かし体勢を崩しても上手く当ててしまうタイプの巧打者であることがわかります。 <始動>  ただ始動のタイミングとしては、かなり遅く動き出します。すなわち長距離打者が採用するような、手元までかなり引きつけて叩くスタイルです。あるいは、このタイミングでの始動には、生粋のニ番打者も多いです。そういった意味では、彼は将来的に長距離打者と言うよりも、二番タイプとして存在感を高めるかもしれません。 <下半身>  始動は遅いのですが、足を引き上げて打ちにゆきます。そのため速いボールに対しては、始動~到達までの時間がなさ過ぎて差し込まれることが多いように思えます。もし足をしっかり引き上げて打ちに行きたいのならば、始動全体を早める必要があります。真っ直ぐ踏み出した足元は、インパクトの際にもブレません。内角よりの球は思いっきり引っ張って長打を放ち、外角の球には上手く合わせてレフト方向にはじき返します。足元が磐石なので、外角低めの球にも、しっかりついてゆくことができています。 <上半身>  あらかじめ打撃の準備である「トップ」の近くにグリップを持ってきており、そのまま振り出します。ただ「トップ」が浅いので、打球の反発力が弱いように思えます。こうなると、どうしても当てる傾向が強く、鋭いスイングを生み出せません。ただバットの振り出す角度もよく、スイング軌道には無駄がなく綺麗に振りぬけております。自分の体勢を崩してでもボールを捉えられるリストワークの素晴らしさと柔軟な膝の送りが使える選手です。 <軸>  足の上げ下ろしがあるので、頭の動きは平均的。体の開きは我慢できていますし、軸足にも崩れがなく安定した打撃が期待できます。「強さ」「鋭さ」を追求して打撃を磨けば、もっともっと好い打者になれると思います。
更新日時:2011.10.05

将来の可能性

 スイングには無駄がなく、当てるのには無駄がありません。元々天性のミートセンスとボール捌きがあるので、アベレージヒッターとしての資質は高いものがあります。ただ全国レベルや更に将来上のレベルでの野球を考えるならば、始動を幾分早めたり、トップをしっかり作ってから振り出す打撃を身につけないと苦労しそうです。  遊撃手としても、まだまだ発展途上といった感じですし、走力に光るものがありませんでした。監督がプロの器だと言ったのは、遊撃手としての才能なのか投手としての才能なのかはわかりません。ただ新チーム以後は、マウンドに上がる機会も出てきそうなので、その両方の面で注目してみたいと思います。いずれにしても、来年のドラフト候補としてマークできそうな楽しみな選手でした。
更新日時:2011.10.05

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