西田 明央選手 (北照)

西田 明央

球歴:北照

都道府県:北海道

ポジション:捕手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:83.0 kg

学年:卒業

寸評

2年秋から正捕手となり、強肩強打のキャッチャーとして注目されてきた西田 明央。地方大会で圧倒的な成績を残す西田であったが、今年の選抜では投手陣のレベルの高さにぶち当たり、思ったような成績を残すことはできていなかった。しかし夏の甲子園では長崎日大戦で初回にライトオーバーの二塁打を放つなど2安打1打点の活躍で成長した姿を見せてくれた。最後の夏で輝きを見せた西田を取り上げたい。 (打撃) 長崎日大戦では4打数2安打の活躍。選抜から打撃フォーム自体は大きく変わっていないが、若干マイナーチェンジしていたように思える。 スタンスはオープンスタンスを大きく取っていたが、スクエアスタンスに変えた。グリップの位置はやや下げてバットを立てて構えるようになった。腰があまり据わっていないが、構え自体は力みがなくなり、バランスの良い構えになった。始動は投手の足が着地する寸前から始動を仕掛けていき、ぎりぎりまで引きつけて打つスタイルであったが、投手の足を降ろし始めたところから始動を仕掛けるようになった。それによってトップをしっかり形成してから振ることができているので、強い打球を生み出すことができるのだ。ただグリップが頭の後ろに移動しすぎてしまい、インコースは捌きづらい欠点が目立つ。トップをしっかり形成したことで力強いスイングができているし、軸足がしっかりと踏ん張ることによって右方向にも強い打球が打てるようになった。ややプルヒッター気味だった彼がライトへ大きな長打を放つようになったのは、選抜から大きく成長した点だろう。南北海道大会では外角の球を無理に引っ張らずセンター前に打ち返すなど強引さがなくなっている。まだスライダーを空振りしてしまう脆さはあるものの、打撃は確実に成長している。 (守備) まず構える姿が良い。どっしりと構えることができており、足の開きは肩幅と適度な広さで広げることができている。膝も、体もしっかり投手方向に向いており投手にとって投げやすい構えではないだろうか。ワンバウンド処理も体を使って止めることができる。キャッチングは柔らかいし、又野の縦に鋭く落ちるスライダーを難なくキャッチする捕球技術は素晴らしい。リード面については打者の特徴を掴んだリードはできているし、悪くない。彼が一番優れているのは持ち前の強肩をスローイングにしっかり活かす技術にある。捕ってから投げるまでの動きに無駄がなく、コンパクトなテークバックではあるが、しっかり送球できる体勢が整っている。押し出すような腕の振りをすることなく、綺麗に腕が振れている。平均で1.80秒~2.00秒前後のスローイングタイムを叩きだしており、選手権の最高スピードは1.86秒。実戦でこれほどのタイムを叩き出せるのも凄いが、何よりも安定してこのスピードが出せる安定したスローイング技術は高校生トップクラスであることは間違いないだろう。南北海道大会ではあとアウト一つで声を上げてナインを引き締めるなど司令塔としての役割をこなしていた。捕手としても選抜から成長を見せた。 (走塁) 塁間タイムは4.50秒前後と左打者に換算すると4.20秒前後と左打者の基準タイムである4.20秒に達している。以前よりもしっかり走る意識は出てきたし、南北海道大会では僅か1盗塁であったが、少しずつではあるが、走塁に対しての意識も高くなってきたのではないだろうか。
更新日時:2010.08.29

将来の可能性

打撃・守備両面で成長を見せた姿を見せ、改めてスローイング技術の素晴らしさを確認したラストサマーであった。プロ志望届けを出したが、打撃の力強さと持ち前の強肩を買って指名する球団もあると思うが、まだ打撃自体は成長したとはいえ、変化球の対応に課題を残しており、個人的には時期尚早という判断にいたった。 ただプレー自体は手抜きを全くしない姿勢は素晴らしい選手だと思うし、選手としてのクレバーさもある。エネルギッシュのある指導者の下でやれば伸びていくキャッチャーではないだろうか。ぜひ上のレベルでも活躍を期待したキャッチャーである。
更新日時:2010.08.29

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