宮國 椋丞選手 (糸満)

宮國 椋丞

球歴:糸満

都道府県:沖縄

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:182.0 cm

体重:66.0 kg

学年:卒業

寸評

 昨年から、来年の沖縄NO.1右腕は、この投手だろうと現地の人から聞いており、ぜひ観てみたいと思っておりました。特に昨春、昨夏と2度の沖縄遠征でも確認できずじまいに終わっていただけに、春季九州大会で彼を確認するのは、一年越しの悲願でした。 (投球スタイル)  スラッとした手足の長い投手体型から、ゆったりと足をジワ~と引き上げ、その足を軽く曲げ伸ばしてから投げ込む独特の「間」が、この投手の一つの持ち味なのだと思います。 球自体は、けして球威・球速で押すタイプではなく、キレのある快速球と横滑りするスライダーを武器にする正当派の本格派です。 (投球内容) 私の観た試合では、かなり内容が悪いものだったのではないかと思われます。この大会後には、どうも肘の調子が芳しくないなんて話しも聞きました。長身から投げ降ろされる速球は、常時135~MAX88マイル(140.8キロ)を記録。キレ型の球質なので、けして空振りが取れないわけではないのですが、全国レベルを意識すると、球威が物足りず、甘く入ると怖いなあと言う感じがします。 変化球は、カーブ・スライダーそれにカットボールなどもあるのでしょうか。基本的には、まさにスライダーと言う感じの横滑りするスライダーが、彼の最大の武器となります。基本は、両サイドに球を投げ分けて討ち取るタイプの投手です。牽制も鋭く、クィックも1.15秒前後とまずまずで、マウンド捌きも悪くありません。ただこの日は、甘い球を痛打されたり、味方がエラーを連発したりりと、最後までリズムに乗り切れませんでした。 右打者には、外角低めに逃げて行くスライダーを振らせるのが、この投手の最大の持ち味。ただ追い込むまでに、甘く入った球を痛打される場面が観られました。それほど縦の変化や緩急もない上に、速球に威圧感がないので、福岡の飯塚打線に掴まりました。 左打者には、より両コーナーへの投げ分けはできるのですが、スライダーが使えず武器になる球がないのが辛いです。そのため、けして甘くないコースを突いた球が狙い打たれるなど、苦しい投球が続きました。 本人の状態もさることながら、沖縄では打たれなかったような球を、ポンポンと打ち返す相手打線のレベルの高さも、最後までリズムを作れなかった要因かもしれません。けして元来持っている野球センス・素材としての良さはあるものの、肌で全国レベルの怖さを実感することになった大会だったのではないのでしょうか。
更新日時:2010.06.17

将来の可能性

 腕の振りの柔らかさ・身のこなし・体重移動の滑らかさなどは、素晴らしいと思います。また土台となるフォームも好く、これに素直に肉付けができたら、やはり面白い素材だと思います。 ただ昨夏からの評判からしても、一冬越えての成長が乏しかったのではないかと推測致します。それができない体調だったのか?それとも野球への意識が低いのか?いずれにしても期待ほどの成長は、現時点で見込めていないのではないのでしょうか。 その上、現在身体の調子もイマイチ。更に実際にプレーを見る限り、高卒でプロに行くようなギラギラしたものや圧倒的なポテンシャルは、現時点で感じません。そういった意味では、一度有力な強豪大学などで揉まれてから、プロを意識した方が良いのではないかと思います。ただ夏までに立て直し、更に意識づけが変わって来るようならば、素材は良いものを持っているので、プロへの可能性も否定できません。できれば、もう一度良い状態の彼を観てみたいと思わせてくれる選手でした。
更新日時:2010.06.17

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