有原 航平選手 (広陵)

有原 航平

球歴:広陵

都道府県:広島

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:186.0 cm

体重:90.0 kg

学年:卒業

寸評

一冬を越えて見違えるように成長、選抜組の中でもスカウト達から最も高く評価されたのが、今回ご紹介する有原 航平。何処が、昨夏大きく変わったのか、昨年作成した寸評と比較しながら、考えてみたい。 (投球内容) 昨夏までは、長身から繰り出す角度のある球を、ただストライクゾーンに投げ込んで来るような球の威力に頼った投手だった。しかしこの春は、ストライクゾーンからボールゾーンに切れ込む変化球を上手く振らせられたり、内角を厳しく突いたりなど、投球の一つ一つ球が意味のあるものになり、だいぶ投手らしくなってきた。 球速自体も、昨夏までは常時135キロ前後ぐらいだったのが、コンスタントに140キロ台を記録するまでになり、選抜ではMAX147キロまで到達し、肉体的にも大きな成長を感じさせる。特に昨夏までは、角度こそ感じさせたものの球質は並で、それほど速球にも光るものはなかった。しかし今春は、球自体にキレが出てきて空振りが誘えるような球質に変わり、勝負どころでもズバッとコーナーに決まる速球は、ちょっと手が出。 変化球も、縦・横二種類のスライダー・カーブ・チェンジアップを織り交ぜ、その球を両サイドにしっかり投げ分けつつ、低めのボールゾーンに切れ込むスライダーでも三振を奪うケースが増えた。速球だけでなく、変化球でも三振を取ったり、カウントを整えたりと、投球の幅が大幅に広がっている。 フィールディングも、大型の割には基準以上だし、牽制も平均的で、クィックも1.25秒前後と大きな破綻もない。だいぶマウンド捌きもよくなってきたし、制球も大きく改善された。 (気になる部分)  それまで低め・コーナーを上手く突いていた投球が、ランナーを背負うと間が取れなくなったり、しっかり投球できなくなったりと、それまでのピッチングが損なわれてしまうことがある。特に選抜の準決勝で魅せた脆さのように、一気にガタガタと崩れ出すと止まらない精神的な脆さを露呈した。選抜の緒戦よりも、明らかに2戦目の内容の方が好かったように、平常心を保っていられる時には素晴らしい投球ができるのだが、そうではない時に崩れる微妙なバランスの上で成り立っている。特に一気に崩れた準決勝、引き上げてベンチ前に集まる時に、誰よりも輪の外に立って申し訳なさそうにする姿は、この選手の気の弱さを感じずにはいられなかった。こうやって観てみると、持っているものは素晴らしくても、それを上手く引き出させるには、周りの人間の配慮や環境も、この投手を大成させるのには、重要な要素なのかな?と思える。夏までに、そういった側面を何処まで払拭できるのか?注目して見守りたい。
更新日時:2010.05.26

将来の可能性

 一冬を越えて、だいぶ投手としての形ができてきました。両サイドに球を投げ分け、低めの変化球を振らしたり、内角を厳しく突いたり、ズバッとコーナーに速球の見逃しを誘ったりと、攻めのバリエーションは豊富。 また野球選手としてのポテンシャルの高さもプロ級で、終盤でも145キロ以上の球速を叩き出すように、基礎体力も確か。技術的な課題と精神的な脆さは確かに気になるが、それを補ってあまりある才能の持ち主だ。 夏までに更なる成長を見込めれば、上位指名も視野に入れられる選手ではないのだろうか。現時点では中位級の評価に留まるが、上手く周りが導いて行けば、近い将来プロのローテーションをも担う、そういった投手への成長も期待できそう。夏までの更なる成長を期待したいところで、選抜の時点でプロの指名リストに名前が入るだけのパフォーマンスを見せた、唯一の選抜組の投手ではないのだろうか。素材的には、先輩の西村 健太朗(巨人)に、ひけを取らない投手だと言えよう。
更新日時:2010.05.26

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です