森 奎真選手 (豊橋工科)
短評
コラムより抜粋 (2015年03月26日) 東海大四対豊橋工が終わったあと、知り合いのスカウト氏は「森くん、よかったあ」と言った。どこがよかったのか聞くと「140キロ出なかったところがよかった」と言う。スピードより合理的な投球フォームを優先しているところがよかった、ということだろう。このスカウト氏は別れ際、「森くんは社会人か大学に行ったらもっとよくなりますよ」と言った。とりあえず今年のドラフトでの指名はないが、4年後くらいに指名されるような選手になっている、と言いたかったのだろう。 私が注目したのもフォームのよさである。腕の振りが体に密着してバックスイングは内回りというのがまずいい。投げにいくときのヒジの高さをキープするためには、この内回りのバックスイングは重要なポイントになる。 テークバック時に右腕が体の陰に隠れ、投げに行くとき左側面から打者に向かっていくので左肩の早い開きが抑える、というのも森の長所だ。さらに重要なのが最近よく聞かれる「脱力投法」。力を入れるのはボールを離す「リリース」の瞬間だけという投法で、藤浪 晋太郎(阪神)も今年この脱力をめざしている。 ここから森の課題に話を移していきたいが、脱力で投げるということは「下半身で投げる」ということである。しかし、森は下半身を使い切れていない。ステップ幅が狭いし、見るからに下半身にボリュームがない。この日の森のストレートが抜けまくっていたのは、脱力で投げようとしながら、下半身が未発達で使い切れていなかったためである。脱力して投げる資格があるのは下半身で投げられる投手だけ、この言葉を心に刻んでほしい。 ストップウォッチなどで得た数字を紹介する。ストレートの最速は138キロ。投球に要するタイムは1.8秒台で、これは早くも遅くもないというくらいのレベル。ステップ幅が広がればタイムは0.2秒くらい遅くなるので、その分打者のタイミングを見ながら投げることができる。一塁に走者がいるときのクイックは1.17~1.23秒で、これはドラフト候補としては及第点があげられる。
更新日時:2015.03.27
くり
2024-03-18 at 9:36 AM
選抜頑張れ!!!!!!!