別井 亮太選手 (加古川北)
寸評
今年の兵庫県を代表するショートとして注目されている別井 亮太。昨年の兵庫大会決勝の模様から彼について取り上げてみたい。 (打撃) 彼の良さはボールに合わせる巧さ。加古川北打線の中で最もボールに合わせる巧さを持った選手だ。 スタンスは右足を軽く開いたオープンスタンス。腰が据わっており、しっかりと投手を見据える事ができており、力みのない構え方から好打者の雰囲気と漂わせているだろう。 投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足の引き上げ自体は小さいが、投手のフォームに合わせてしっかりとタイミングを合わせようとしており、間を取る事が出来ている。踏み込んだ足もしっかりと踏ん張り、膝の開きも抑える事が出来ている。 トップの動きを見ていくと捕手側方向へ引いていき、しっかりとトップを作る。好打者タイプなので、深く取ることはないが、グリップが体の奥に入りすぎることはなく、左肘を畳んで打てる選手なので、インコース自体は打てる選手だが、開きを抑えようと窮屈な打ち方になっているので、懐を少し空けるぐらいでしっかりとスイングが出来るようになってほしいところ。 トップからインパクトまで無駄のないスイングが出来ており、弧を描くような軌道なので、生粋のスラッガーではないが、甘く入れば本塁打が打てるスイングとなっている。 フォロスルーまで目線のブレも小さく、全体的に無駄な動きがなく、力みもない打ち方といえるだろう。個人的にはもっとスイングに力感が欲しい。あとはインコースに対して、自分のスイングでボールを捉える事ができるようになるとしっかりと強い打球を飛ばせるはず。その2つが出来るようになると、多くの人を惹きつけるのではないだろうか。 (守備・走塁) 守備についてはバウンドに合わせるのが上手い選手。ポジショニングも打者に応じて守る位置を替えたりして、工夫は行なっている。スピードではなく、堅実にボールを裁く。肩の強さも平均的だ。 スピードを売りにする選手ではないので、塁間タイムも4.28秒と左打者としては物足りない数字。加古川北は走塁を教えられるチームなので、足の速さを補う走塁技術は備わっていると考えられるが、今後では瞬発力を鍛えるメニューで短距離の速さを身につけていきたいところ。
更新日時:2013.05.19
将来の可能性
攻守に卒無くこなす選手で、技術的に大きな欠点もない良い選手という印象。ただ打撃においては力強さ、走塁・守備においては基本的な速さが物足りない印象を受けた。走塁・守備においてはフィジカル的なものなので今すぐではなく、時間をかけてしっかりと基本的なスピードを高めていけば良いと思う。そのため高卒タイプではなく、大学・社会人で時間をかけて物足りなさを補ってほしい。 それが備わってくると上の世界でも活躍できる遊撃手になるのではないだろうか。加古川北としては久しぶりの大型遊撃手なだけに素質を開花させてくれることを期待したい。
更新日時:2013.05.19