林 雅啓選手 (千葉商大付)

林 雅啓

球歴:千葉商大付

都道府県:千葉

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:185.0 cm

体重:87.0 kg

学年:卒業

寸評

 開幕戦でスケール溢れる投手が躍動した。その名は林 雅啓。185センチ87キロと恵まれた体格から振り下ろす直球の威力抜群。事前情報がなかっただけに彼が投じる速球に衝撃を受けた。課題多くも今後が楽しみな投手である。 (投球内容)  なんといっても彼の速球はウエイトが乗っており、力強い腕の振りから繰り出す速球は威力抜群。空振りを奪うほどのものではなく、どちらかというと詰まらせて打ち取っていくストレートだ。木製バットであったら、折れてしまいそうな迫力は十分に伝わった。出し惜しみせず自慢のストレートをビシバシ投げ込むスタイル。  スピードは最速138キロといわれるが、常時135キロ前後は計測していそうな勢いがあり、138キロを計測していてもおかしくはない。彼の馬力の大きさを考えて、常時140キロ~145キロの到達も可能ではないだろか。  変化球はスライダー、カーブを投げ分ける。球種として使えるのはスライダーのみ。そのスライダーも武器になるというものではなく、現状は威力あるストレートでねじ伏せるだけのピッチング。横回転が強いフォームで、縦系のボールは向いていない。それならばカットボール、スライダー、チェンジアップを磨いて、投球の幅を広げていくべきではないだろうか。  クイックは1.2秒前後のクイック。牽制はそれほど入れるタイプではない。 (投球フォーム)  セットポジションから始動し、左足の引き上げは小さく、回しこむように引きあげて、右ひざを折り曲げ、立つ。重心を下げていきながら、着地する。腰の回転は横回転気味で、縦系の変化球を投げおろすタイプではない。内回りのテークバックを取って、強い蹴りあげと同時に鋭く腕を振り下ろす。フィニッシュまで素晴らしい腕の振りを見せるので、勢いのあるストレートを投げ込む事が出来ている。  課題は左肩の開きの早さ・軸足の押さえ付けの甘さ・球離れの早さだ。着地した時、踏み込み足がやや外側(一塁側)へ踏み込んでしまっており、左肩の開きが早く、出所が見やすくなっている。  2つ目の課題である軸足のスパイクを押さえ付けの甘さ。正面からでは分からなかったが、センターカメラからの映像を見ると軸足が完全に離れてしまっているのが分かる。  低めへ制球する上で、軸足の使い方はとても重要で、軸足の折り曲げでロスのない体重移動が実現出来るかが肝になるが、彼は体が突っ込み気味で、軸足が離れてしまっている。そのため重心が浮いた状態になり、リリースポイントも定まらず、高めへ浮いてしまう。  頭が突っ込み気味で、球離れも早いため、指先までしっかりと力が伝わったストレートを投げる事は出来ず、回転が悪いストレートになる。    始動からリリースまで力が入りすぎで、体へかかる負担が大きい。球数が重なると故障のリスクも否めないので、気を付けてほしい。    角度を変えて分析していくと技術的な課題は多く、今のままではより打ち難く、より速い速球を投げることは難しく、故障のリスクも否めず、フォームについては軸足の動き・開き・球持ちの部分を意識して、上手く改良していってほしい。目一杯投げる投手は投げることだけに精いっぱいで、相手が見えていないことが多く、嫌らしさは感じない。
更新日時:2012.07.13

将来の可能性

 馬力の大きさいう点では申し分ない。ドラフト候補の体格であろう。しかしフォームは技術的な課題が多く、彼の高いポテンシャルを活かしきれていないのだ。ただ速い球を投げようとする意思が見られるフォーム。軸足の体重の乗せ方・開き・球持ちで課題を残しており、一つ一つの動作を丁寧にこなすことが大事ではないだろうか。  技術的課題を克服したことで、ストレートのスピード、コントロール、変化球のキレも高まり、投手としての総合力は格段に高まっていくのではないだろうか。ポテンシャルならば来年の千葉県でもNO,1ではないだろうか。そのポテンシャルの高さを活かす技術を身につけ、来年にはドラフト候補として名乗り上がる投手に成長することが出来ているか注目していきたい。
更新日時:2012.07.13

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