井村 多朗選手 (城東)
短評
コラムから抜粋 そんな6月上旬のある日、徳島大会参加各校からのアンケートをつぶさに眺めていると、私は徳島城東の4番エース・井村 多朗(いむら・たろう 3年・175センチ77キロ・右投右打・徳島中央リトルシニア出身)の投手成績に瞳が2倍になるくらい驚かされたのです。 明確に示せば春季大会以降6月6日までの練習試合で、16試合96回3分の1を投げて被安打54・奪三振122・与四死球15で防御率は0.93。浮橋 幸太(富岡西3年)ら最速140キロを超える右腕が10人ほどそろう徳島県高校野球界でも、井村投手の数字は突出したものだったのです。 「昨年秋とは別人です。もともとフォームがよかったのが、冬を越えて身体が乗っかったイメージ。ストレートも最速142キロになっています」徳島城東・鎌田 啓幸監督も太鼓判を押すであれば見ないわけにはいきません。さっそく6月16日(日)・西条(愛媛)との練習試合に足を運んでみました。 はたして第1試合で登板した井村 多朗投手の内容はデータ通りでした。140キロの速球を筆頭に常時130キロ後半をマークしたストレートに、100キロ台のカーブ、120キロ台の縦横2種スライダーにチェンジアップ、そして130キロ前後のスプリット気味に落ちるカットボールを駆使して9回140球15奪三振完投。しかも無四球。 試合は9回表二死0対5から見事な集中力を示した西条打線に6対5で屈しましたが、「今日は追い込んでからのスライダー、カットボールで三振が取れたことは収穫ですが、最終回はストレートで押そうとして打たれ、そこから変化球にも対応された」と自分を冷静に分析する様には、クレバーさも漂います。 そしてフォームも理想的。その数日前にある指導者から学んだ「理想的」の詳細は別原稿で触れていきますが、簡単に言えば腕が体に巻き付くようなフォームのため、ボールがブレることがほとんどないのです。さらにキャッチボールから投球を意識した投げ方を心がけるなど「冬場には左ひざの開きを閉じることを心掛けて球速が上がった」本人の探究心も◎。
更新日時:2019.06.28
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