寸評
(寺西の動画は1.09秒~1.32秒まで)
中学時代から日本代表入りし、注目を浴びてきた大型右腕・寺西成騎。1年夏の甲子園では最速143キロを計測。しばらく苦しい時期は続いたが、昨秋の公式戦では32イニングを投げ、42奪三振、防御率1.13と安定感抜群の投球を見せていた。その投球はドラフト候補として推せるものは十分にあった。その投球を詳しく振り返っていきたい。
(投球内容)
ストレートの自己最速は146キロ。北信越大会では130キロ後半だったが、ボールの勢いは球速表示以上を感じさせるものがあり、角度の高さを見ても、ドラフト候補に値するものがある。
カットボール、フォークを散らせながら、低めに落とし、空振りを奪うことができる。
制球力は高く、外角、内角へしっかりと投げ分けることができる。
2年秋の時点ではかなりレベルが高い投球で、3年に公式戦を迎えれば間違いなくドラフト候補としてチェックされていた逸材だ。
(投球フォーム)
実にバランスの良い投球フォームが目につく好投手。
走者がいなくてもセットポジションから始動し、左足を回しこむように上げていきながら、右足の膝を曲げていきながらバランスよく立つ。
左足をショート方向へ送り込んでいきながら、重心を下げていき、横移動がうまく、歩幅を広げて着地を行う。テークバックを見ると内回りの旋回をしていきながら、トップを作る。
北信越大会ではその回旋がスムーズで、しっかりと胸を張っているのを見ると胸郭の柔軟性があり、使い方がうまい。ただ、不調になると右肘が入りすぎて、肩の負担がかかりやすいともいえる。
186センチの大型投手でありながら、一連の流れも悪くない。ただこうして長い時期、不調があったのは、感覚のズレがあったといえる。
ぜひ最後の夏は良い感覚で入ることを期待したい。
更新日時:2020.05.31