試合レポート

都立足立新田vs都立東

2013.07.11

足立新田、乱打戦を制し3回戦へ

両校あわせて26安打。
都立足立新田都立東の試合はシーソーゲームの乱打戦となった。

都立足立新田はエース・加藤圭太(3年)。都立東山崎裕也(1年)の先発で始まったこの試合。
試合が大きく動いたのは1対0と足立新田のリードで迎えた5回表。
ここまで、毎回スコアリングポジションにランナーを置きながらも要所を締めて得点を許さなかった足立新田・加藤。
この日は変化球の制球がさだまらず、ストレートの高低で勝負する苦しい投球に終始していた。

しかし都立東打線が3巡目を迎えた5回表。加藤が捕まる。
都立東は2死1,3塁から4番丸山航生がセンター前にタイムリーヒットで同点に追いつくと関を切ったように打線が爆発する。
続く5番野田達哉の打席でパスボールで、ランナーを2,3塁とするとその野田がレフト前へタイムリーヒットで逆転に成功。更に6番平林拓也7番中村大8番山崎にも連続タイムリーが出てこの回一挙6点。ビッグイニングを作った。


5点のリードをもらった都立東・山崎。しかし、この点差がメンタルに微妙な変化をもたらしたのか?
この回、先頭の8番鈴木直喜から三者連続四死球でノーアウト満塁に。そして2番廣川義博のライト前ヒットで足立新田が2点を返す。

ここで都立東は投手を山崎から難波樹にスイッチする。
しかし、難波も流れを止められない。3番服部匠がセンターオーバーのタイムリーツーベースでさらに2点を追加。5点あったリードは一気に1点差に。
続く4番小川晃平が四球で続き、5番宮崎聖也が犠打で送り1死2,3塁とすると6番豊田海夢の打席でワイルドピッチがでて足立新田が同点に追いついた。

序盤の投手戦から一転、乱打戦の様子を呈してきたこの試合。
5点差を追いつかれた都立東もこのままでは終わらない。6回表、4番丸山、5番野田の連続タイムリーで2点を追加。再び勝ち越しに成功する。

しかし流れが両チームを行き来する乱打戦で、2点は決してセーフティーリードではなかった。
今度は足立新田が直後の6回裏、2番廣川のタイムリーで1点差につめると3番服部のタイムリーでランナー2人が帰り逆転に成功。
その後、5番宮崎、7番伊藤達郎にもタイムリーが出て打者9人の猛攻で5点をあげその差を3点とした。


11対8。残るイニングは3回。
まだまだ何がおこるかわからない試合終盤。
しかし足立新田2番手秋吉飛呂がゲームを立て直す。7回表、秋吉は都立東打線を3人で抑えた。
この試合で都立足立新田が3人で守りを終えたのは、このイニングが初めて。
これで都立足立新田は落ち着きを取り戻した。

7回裏、さらに1点を追加し12対8とした足立新田。
秋吉は8回、9回と打線にヒットすら許さない投球で締め、試合はそのまま12対8で足立新田が苦しみながらも初戦を飾った。

一時は土俵際まで追い詰めたが、最後は自力に勝る都立足立新田が制したこの試合。
しかし5回表の7本の安打でエース・加藤をノックアウトし足立新田を上回る15安打を放った打線。また5回途中まで足立新田打線を苦しめた1年生・山崎のサイドからの躍動感のある投球など、都立東も決して力負けしていなかった。

強豪校に対して互角に戦ったこの試合。このゲームが後輩達にどのように受け継がれていくのか。今後の都立東に注目したい。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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