試合レポート

履正社vs盛岡大附

2016.10.02

履正社が誇る二枚看板が6失点!わんこそば打線は今日も爆発!

履正社vs盛岡大附 | 高校野球ドットコム

四川(履正社)

 岩手国体が開幕。岩手県のメイン球場である[stadium]岩手県営球場[/stadium]の第1試合はどちらも強打を発揮した試合展開となったが、履正社の自慢の寺島成輝山口裕次郎の2枚看板が打ち込まれてしまったのは多くの方々が驚いたはずだ。試合後、インタビュールームに登場した寺島、山口は言葉少なく、いつものような元気はなかった。

 1回表、履正社は四川の適時二塁打で1点を先制すると、1回裏、盛岡大附は1番植田拓の左中間を破る三塁打から始まり、2番菅原優真の右越え二塁打で同点に追いついた。鮮やかといっていい同点劇であった。3回表、履正社は無死一塁から福田 観大の適時三塁打と相手の敵失で福田も生還し、2点を勝ち越し。さらに押し出しや山本の走者一掃の適時二塁打で一気に6点を挙げる。4回表にも若林将平の適時二塁打で2点を追加して、9対1でリードした。恐るべし履正社打線。寺島が本調子ならば、このままコールドに行くのではと思ったが、寺島が絶不調であった。フォームのバランスが崩れており、体の軸が鋭く回っていないフォーム。いわゆる左腕をただ振り下ろすだけのフォームで、体全体が連動をしていない。そのため球速が130キロ前半が殆ど。U-18の時でも、135キロ前後でもストレートにキレがあったが、それはフォームに連動性があったから。今日のようなフォームではストレートにキレは出てこない。

 二回り目以降から盛岡大附打線は寺島を捉え初め、4回裏、一死二、三塁から 野坂 省の適時打、8番二橋 祐太の適時二塁打で計3点を返し、9対4にされる。寺島はこの回限りで降板。最速は138キロ。4回を投げて7安打4失点だった。寺島は「今日は採点が付けられる投球ではない」と猛省の様子。そして後を継いだ山口裕次郎も、腰と腕に振りがあまり連動せず、本人も肘が下がり気味と語っているように、投球フォームが小さい。火が付いた盛岡大附打線を止めることができず、植田拓に本塁打を打たれ、塩谷洋樹に適時二塁打を浴びるなど2失点。最後、竹田祐(2年)が投げて凌ぐことができたが、配球面のミスで、打たれるならば修正のしようがなるが、2人ともメカニズムが本来のものではないので、次戦に向けて修正できるか注目をしていきたい。


履正社vs盛岡大附 | 高校野球ドットコム

塩谷洋樹(盛岡大附)

 2人とも非常に期待度が高い投手であるが、フォームの再現性は、まだまだ高校生。だが2人の今後の将来性、育成計画を考える上では、参考になる内容であった。こちらについてはドラフト向けのコラムで、詳しく発表していきたい。

 敗れた盛岡大附だが、15安打6得点。打線がつながりきらなかったところもあるが、わんこそば打線と呼ばれる強打は十分に魅せることはできた。敗れた盛岡大附の関口清治監督は「今日は好きなように振っていけ!と指示を出しましたが、十分にうちの持ち味を発揮することはできました」と満足している様子。4番を打つ塩谷洋樹も「履正社の2人の対戦は楽しかったです。僕たちは打てなかったらボロボロなので、打ててよかったです」と笑顔を見せた。

 高校通算52本塁打を誇る塩谷は、入学当初は全く本塁打を打てる選手ではなかったが、盛岡大附独自の打撃指導と、徹底とした筋力トレーニングでグングンと伸びていった選手。盛岡大附は、塩谷のように長打力がなかったけど、急激に伸びた選手が多いという。
 塩谷の例は多くの後輩たちの参考になるだろう。この流れが続けば、盛岡大附が誇るわんこそば打線は、今後も全国の脅威となりそうだ。

(文=河嶋 宗一

履正社vs盛岡大附 | 高校野球ドットコム
関連記事
 2016年国民体育大会特設応援サイト

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾は昨夏甲子園優勝バッテリーがスタメン!初回から4番・江戸 佑太郎の1発などで3点を先制!【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が四国王者の高松商、英明に連勝!!<香川招待試合>

2024.06.08

昨年春夏甲子園出場・北陸の卒業生進路 エースは筑波大へ! 早速公式戦で上々のデビュー

2024.06.09

大阪桐蔭、敗れる! センバツ8強・阿南光の吉岡を攻略できず、エース平嶋は7回被安打10【徳島招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得