鹿児島情報vs徳之島
二木康太(鹿児島情報)
「嫌がられる野球」できた・徳之島
鹿児島情報のエース二木康太(3年)は昨秋の県優勝投手。新チームになってからの公式戦で失点は全て3点以内に抑えており、この年代の間違いなく県ナンバーワン投手だ。徳之島は無念のコールド負けだったが、田村正和監督は「ナンバーワン投手から嫌がられる野球ができた。それなりの収穫はあった」と振り返った。
183センチの長身から角度のある直球とフォークを持っている二木に対して、各打者はボックスのベース寄りいっぱいに立ち、内角を投げにくくさせた。狙い球は「高めの直球とカウントを取りにくるスライダー」(宮本陽平主将・3年)に絞り、低めの直球とフォークは振らないことを徹底した。8安打はほぼこのコンセプト通り打ったものである。スクイズで点を取り、1番・西涼介(3年)がノーサインで三盗を決めるなど、持ち味の機動力野球を発揮して、3点を奪ったことで「自分たちの野球が通用すると確信が持てた」(宮本主将)。
夏に向けての課題が、11失点を喫した守備面にあるのは明白だ。これまで抑えの切り札だった大山を先発で起用し、「勝負に出た」(田村監督)が、5失策、暴投・捕逸のバッテリーエラーが6あり、ことごとく失点に絡んだ。「大山が良い立ち上がりをしていたのに、守備が盛り上げられず、初回3失点で相手に流れを持っていかれたのが痛かった」と宮本主将は悔やむ。
「スタメンをレギュラー番号で起用できないところに、まだまだ弱さがある」と田村監督。大型連休で沖縄遠征を組むが「守備面を徹底して鍛える遠征になる」と気持ちを高めていた。
(文=政 純一郎)