ガス欠を防ぐ!運動前のエネルギー補給
ガス欠を起こさないために運動前や運動中にも上手に補食を摂るようにしたい
練習後に補食などを準備し、選手たちが食べているシーンはさほど珍しいものではなくなりました。運動で失われたエネルギー源を補給し、体づくりの元となる栄養素をとることはアスリートにとって必要不可欠な習慣の一つと言えるでしょう。これと同じように運動前にもタイミングを見ながらエネルギー補給を行うことは大切です。特に練習時間が長くなってくると、体内のエネルギー源が枯渇し、場合によっては体が十分に動かなくなる…といったこともありえるからです。
●運動前に適したエネルギー補給とは
平日の放課後に全体練習を行う場合は、授業が終わってから部活動が始まるまでの間が補食をとるタイミングとなります。体内で使われる主なエネルギー源は糖質(炭水化物)と脂質になります。脂質は体脂肪として体内にある程度蓄えることが可能ですが、エネルギー源として使えるようになるには、ある程度時間がかかると言われています。一方で糖質は脂質に比べると比較的スムーズにエネルギー源へと変換されますが、体内で蓄えられる量は限られており、常に食事などから補給しなければならないものです。したがって練習前には糖質と水分を基本とした補食をとることが大切になってきます。
●消化吸収の時間を考えた補食を準備しよう
手軽にとることのできる補食としてまず思いつくのが、コンビニなどでも調達できるおにぎりやパンではないでしょうか。練習前には糖質を含むものを摂った上で、バナナやオレンジジュースといったより消化吸収の時間が短い果物や飲みものなどもあわせて摂るようにすると良いでしょう。おにぎりなどの固形物はエネルギーとして使われるまでに1~2時間ほどかかると言われていますが、それよりも短い時間でエネルギーに変換される果物や飲みものなども一緒に摂っておくと、練習中にエネルギー源が不足することを防ぐことができます。糖質は体に多く貯めておくことができないということを考えると、練習中にも糖質を含むスポーツドリンクなどを摂ってエネルギー補給、水分補給を行いながら練習に取り組むことがエネルギー切れによるパフォーマンスの低下を防ぎます。土日や休み期間など一日練習を行うときは、特にこうしたエネルギー補給を心がけてみてくださいね。
文:西村 典子
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