体の発育発達段階にある時期を成長期と呼びますが、中学生、高校生の時期はこの成長期にあたる人が多いと思います(男女差や個人差があります)。よく「子どもは大人のミニチュアではない」と言われますが、成熟した成人の体と成長期の体ではさまざまな違いが見られるため、大人のトレーニングをそのまま行うとケガのリスクが高まることもあります。ここでは成長期にみられる代表的な体の特徴を挙げてみましょう。

●骨が柔らかい(弱い)
成長期の骨は成人のものよりも柔らかく、大きな外力によって骨折をしてしまったときに、大人ではポキッと折れる骨も、成長期の場合は竹がしなるように折れる場合があります。若い木の枝を折った時の様子に似ていることから、このような骨折の状態を若木(わかぎ)骨折と呼びます。また硬いものが心臓付近に当たったり、大きな外力を受けたりした時に心臓震盪(しんとう)を起こしやすいのも、胸郭部分が成人に比べて柔らかく、衝撃が心臓に伝わりやすいためとも言われています。

●自然治癒力が高い
自然治癒力が高いのは良いことなのですが、例えば突き指をしてしばらく放置していたら実は骨折だったという場合、骨が変形したまま癒合してしまうことがあります。そのままにしておくと本来の機能が損なわれた状態で治癒してしまうことにもなるため、異変を感じたらすみやかに医療機関を受診するようにしましょう。

●骨端線が存在する
成長期の骨は、骨の中心部にあたる骨幹(こっかん)部と、骨の端にある骨端(こったん)部の間に骨端線(こったんせん:いわゆる成長線)が存在しています。レントゲンなどで骨端線が確認できるときは、骨が成長段階にあると言えるでしょう。大人になると骨端線が消えて大人の骨となりますが、成長段階の骨端部は力学的負荷に弱く、ケガをしやすい部分と言えるでしょう。代表的なものに膝のオスグッド病や上腕骨部に見られるリトルリーグショルダーなどがあります。

●柔軟性の低下
骨が急激に伸びる時期に比べると、筋肉が発達する時期はやや遅くなる傾向にあります。骨の成長が進み、筋肉がその成長スピードについていけない状況になると、筋肉は骨に対して短くなってしまい、それをさらに伸ばそうとしても伸びないといったことが起こります。体が硬くなったように見えるのは、骨と筋肉の成長のズレによって起こるものです。

 成長期の体は成人とは違った特徴を持ち、過度な負荷をかけるとケガのリスクが高まることも考えられます。体のことをよく理解した上で、休養・栄養とのバランスをしっかり取りながら練習を行いましょう。

文:西村 典子
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