オフシーズンになると基本動作の繰り返しや練習量の増加によって脛(すね)に痛みを感じる選手が少なくありません。代表的なものはランニング量の増加によって起こるもので、よくシンスプリントと呼ばれています。シンスプリントとは下腿部にある脛骨(けいこつ)や腓骨(ひこつ)といった骨の骨膜の炎症や、脛の痛みの総称をさします。

 こうした脛の痛みはしばらく休んだり、運動強度を落としたりすることで改善しやすいのですが、一方で通常練習を再開するとまた痛みが再発する…といったことも多く、悩まされるスポーツ傷害の一つと言えるでしょう。練習中や練習後に「脛が痛いな」と感じたときに確認したいことを挙げておきます。

1)急激に練習量(ランニング量)が増えていないか
運動強度が高まるにつれて体への負担が大きくなることは理解できると思います。運動強度が段階的に上がるのではなく、急激に上がってしまうと、体は疲労回復する時間的な猶予が少なく、それが積もり積もって痛みとなることがあります。特にアスファルトなど路面の硬いところばかりで走っていると、体力的に弱い部分(この場合は下腿部)から何らかのアクシデントに見舞われることが想定できます。運動強度と体力面を考慮してムリのない練習プログラムを計画しましょう。硬い路面を避け、土の上を走るように変更することも一つの方法です。

2)疲労が蓄積していないか
練習後のクールダウンやセルフコンディショニング等で疲労回復を促すような習慣を行っているでしょうか。特に下腿部分の筋肉の柔軟性が低下していると、筋肉が付着する骨に牽引ストレス(引っ張られる力)がかかり、痛みの原因になります。脛やふくらはぎのストレッチはこうした牽引ストレスを和らげる効果が期待できます。また足裏のアーチが少なく偏平足気味の選手は地面からの衝撃がダイレクトに伝わるため、シンスプリントになりやすいといわれています。下腿部とともに足裏のケアも行うようにすることが大切です。

3)シューズが摩耗していないか
すり切れたランニングシューズを使用していると着地時に足と地面の接地にゆがみが生じたり、靴の中で足が滑ったりといったことが起こります。このような状態を放置していると着地時のゆがみを矯正しようと体が反応し、脛にねじれの力が生じることがあります。それがやがて大きな負荷となって脛に痛みをもたらすようになります。シューズの底がすり切れていないか、ほつれや破れなどがないかを必ず確認するようにしましょう。

 これ以外にも脛の痛みとなる原因はあると思いますが、まずはこの3つの点を確認しましょう。それでも痛みが継続する、もしくは強くなる場合は練習を中止し、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

文:西村 典子
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