激しく体を動かす野球選手はエネルギー源を多く摂る必要があります。エネルギー源を多く含む栄養素といえば炭水化物ですが、最近アスリートから注目されている食材の1つがサツマイモです。秋はサツマイモの美味しい季節。どのような働きが野球選手にとって良い影響を及ぼすのでしょうか。

●補食に適している
サツマイモの主成分は糖質ですが、カロリーはお米と比べて低いことが知られています(サツマイモは100gあたり131.9kcal、米は100gあたり351.6kcal※)。適度な甘さがあるので、おやつ代わりや補食として活用しやすい食材といえます。練習前のエネルギー源補給として、また練習後から帰宅するまでの「つなぎ」として夕食にさほど影響しないカロリー量と考えられます。ふかしたサツマイモを準備するのはむずかしくても、ほし芋などを活用すれば比較的準備しやすい食材と言えるでしょう。ただし試合での補食では食べすぎると食物繊維の影響でガスが出やすくなったり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が促されて便意を催すことがあるので注意しましょう。

●不足しがちな栄養素を補える
サツマイモは糖質以外にも野球選手に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル分、さらにはビタミンCを豊富に含む食材です。サツマイモの食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維がより多く含まれており、腸内環境を整えることに役立ちます。食物繊維が多いため、糖質の消化吸収がゆるやかであることも特徴の一つであり、一度食べると長く持続するエネルギー源としても注目されています。また熱に弱いとされるビタミンCを豊富に含むため、活性酸素に対する抗酸化作用や筋肉痛への抗炎症作用などが期待できます。

●加熱でより機能性が高まる
補食だけではなく、普段の食事にもサツマイモを使ってみましょう。おすすめの調理法は「茹でる」「蒸す」「焼く」といった方法での加熱です。サツマイモに含まれるβアミラーゼという酵素は70℃前後で働くため、加熱することでより甘みが増しておいしく食べることができます。ただし電子レンジを用いてしまうと、食材の中心部から急激に加熱されてしまい、酵素がうまく働かなくなるので注意しましょう。炊飯器を使ったサツマイモ入りご飯などは比較的手軽にできるのではないでしょうか。

 この時期に旬を迎えるサツマイモは野球選手にとっても有効活用しやすい食材です。上手に取り入れてコンディションづくりに役立ててくださいね。

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

文:西村 典子
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