アイシングの基本をおさらいしよう

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2019.09.06

コールドスプレーは表面的な冷却に過ぎないので、ケガをしたときにはアイシングを行おう

 ケガをした時に患部を氷などで冷やすアイシングは、スポーツ現場では一般的になりつつあります。アクシデントによって突発的に起こったケガをはじめ、痛みや腫れ、出血などが見られるときにこれ以上炎症症状が拡がらないようにすることを目的として行います。具体的には患部を動かないように安静・固定し(Rest)、氷などで冷却し(Icing)、弾性包帯やテーピングなどで圧迫し(Compression)、心臓よりも高い位置に挙上する(Elevation)というこの4つを抑えましょう。その他にもよく質問されるアイシングのことについてまとめておきます。

●冷やす時間について
患部の大きさや痛みの程度によって変わりますが、一般的には氷水などを用いて患部を20〜30分程度冷やします。皮膚の感覚は時間の経過とともに「冷たい感じ→ヒリヒリする感じ→しびれて感覚がなくなる感じ」と変化します。太ももなどの大きな部位は少々長めの30分程度、肘などの小さな関節で神経が近いところを通っている部位などは15〜20分程度で、皮膚感覚を確認しながら調整するようにしましょう。長すぎるアイシングは皮膚を傷めますので必ず時間はチェックするようにします。

●氷がないときの対応
冷却剤は長時間皮膚と接触していると凍傷の原因となります。なるべく氷を用いるようにしましょう。もし氷がない場合は冷却剤をタオルなどでくるんで直接皮膚にあてないようにして使います。コールドスプレーは直接冷たい空気が噴射されますが、表面上の冷却に過ぎず、患部をしっかり冷やすという点ではあまり効果がないと考えられます。

●圧迫の強さについて
RICE処置では患部に弾性包帯やテーピングなどを用いて圧迫しますが、圧迫しすぎると神経や太い血管まで影響が及び、患部より先がしびれたり、色が変色したりといったことが起こります。軽めに圧迫し、圧迫した部位から先がスムーズに動くかどうかを確認するようにしましょう。

●アイシング後の対応について
アイシングを行った後は、かけた時間の2倍程度の時間をとって感覚を取り戻すようにします(30分アイシングしたのであれば1時間程度、間をおくようにする)。これを24時間〜48時間(寝る時間は含みません。1日〜2日間程度)繰り返すのが理想的です。

 正しい応急処置は早期のスポーツ復帰につながりますので、試合や練習のときは、あらかじめ氷とバケツに入った水、伸縮包帯、ガーゼ、テーピングなどを準備しておくとよいでしょう。ただし意識がない場合やショック症状、頭頸部・背部の外傷や大量出血、脱臼・骨折が疑われる明らかな変形などが見られる場合は、むやみに動かさず、すぐに救急車やドクターを呼び、適切な処置を受けることが大切です。

文:西村 典子
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