アスリートを悩ます水虫
アスリートに意外と多い水虫。感染しないための対策をとり、自己防衛につとめよう。
夏になると靴を履いているだけでも蒸れてきてしまい、そのうち足の裏や足指の間がかゆくなってきた…ということが起こるかもしれません。気温や湿度が高い時期に症状が進行しやすいのが足裏などにできる「水虫」です。
水虫は英語では「アスリート・フット」とも呼ばれ、運動をして汗をかく習慣のあるスポーツ選手にとって、感染しやすい皮膚疾患の一つといえるでしょう。
水虫は、白癬菌というカビの一種が皮膚表面に付着し、そこから感染するという経路をたどります。ただし一度菌が付着してしまったら必ず感染するというわけではなく、1日~2日程度経ってからのちに感染するといわれています。
付着してから感染するまでには時間がありますので、運動が終わったら足が蒸れないように清潔に保ち、洗い流すだけでも感染予防につながります。
水虫をどこからもらってきてしまうかといえば、自宅、寮、合宿所などの生活環境か、病院やプール、共同浴場といった非生活環境のいずれかに分類されます。いずれにしてもなかなか避けて通るのがむずかしい場所であり、誰にでも感染のリスクがあります。
お風呂場の足ふきマットやスリッパなど共用のものは、常に清潔に保つようにしましょう。また公共の場で裸足になる場面があったときには、入浴時に丁寧に足裏や足指を洗うことも忘れないようにしましょう。
最近では水虫に対する治療薬も多く、さまざまな種類の水虫に対応しています。塗り薬は使い始めるとすぐに良くなったと実感することも少なくありませんが、皮膚の中に水虫菌が残っているケースが多いため、しばらくは継続して塗り薬を使うことが推奨されています。
また水虫にもさまざまな種類があり、水虫とは違う皮膚疾患であることも考えられますので、一度皮膚科医を受診して適切な治療を受けることが大切です。気温や湿度が高くなる時期は特に、水虫菌が繁殖しないように足の蒸れを解消し、清潔に保って過ごすことを心がけましょう。
文:西村 典子
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