前田健太、手術からの復帰へ思いを込める 「亀」をモチーフにした新グラブを発表
新作のグラブと色紙を手にポーズをとる前田健太投手(PL学園出身)
MLBツインズで奮闘を続ける「マエケン」こと前田健太投手(PL学園出身)が7日、2022年に使用する新作グラブの発表会に参加。新シーズンを共に戦う「相棒」がお披露目された。
今年も自身がブランドアンバサダーを務めるミズノで今季もグラブを制作。ラッキーカラーだという赤を主体とした新グラブは「誰も使っていないような斬新なもの、新しいものを作ろう」というところから、温故知新をテーマに作られた。
ミズノの担当者によると、今回のグラブは2000年代に展開されていたグラブをベースに、前田投手の動きに合わせた最適な型付けを行った。温故知新という言葉の意味通り、昔に立ち返りつつ、ピッチングの動きに合わせてグラブに新たな機能を詰め込んでいるが、そこには前田投手の強いこだわりがあった。
「グラブ1つでピッチング、バランスが変わると思っているので、グラブは大事なものだと思っています。
僕の場合、小指を動かしてボールを掴むように使うので、投げるときもその動きができた方が力を入れることができます。ですので、小指から動かしてボールを握れるようなグラブの作りにしてもらっています」
小指や薬指をしっかりと動かせるかどうか。リードする左腕がスムーズに使えるかどうかが、前田投手にとって大事なポイントの1つだからこそ、ミズノはその要望をクリアするために、「2021年のモデルからベロ部(手首の部分)を少し変えました」とパフォーマンスに合わせて改良。こうしてメジャーリーガーも納得するオンリーワンの「相棒」が完成した。
ミズノの担当者と打ち合わせをしている前田健太投手(PL学園出身) ※写真提供=ミズノ株式会社
そしてウェブの部分は「亀の甲羅」をテーマにデザインした。ここにも前田投手なりのこだわりが詰まっていた。
「今年はリハビリからのスタートとなりますので、いろんな方からは『焦るな』という言葉をいただいています。ですので、グラブを見た時に、『亀のように焦らずゆっくり、じっくり進んでいきたい』と気持ちを思い出させる。焦る気持ちを落ち着かせるためにもデザインしてもらいました」
2021年9月にトミージョン手術を受け、現在はリハビリ中。復帰までは手術から1年から1年半かかるといわれており、「今シーズンの終盤で復帰できればベストだと思います」と早期復帰を目指しつつも、焦らずにリハビリを進めていくつもりでいる。
自分へ向けてのメッセージも込めて、ウェブ部分に亀の甲羅をイメージしたデザインを採用した。
最後に色紙へ今季の目標として「パワーアップして復活する」と書き記した。
「数字の目標を立てるのは難しいですが、僕がパワーアップして復活することで、トミージョン手術を受ける選手はもちろんですが、手術を受けることがネガティブではなく、希望を届けられると思うので、書きました」
2月のキャンプから球が投げられるように、現在はリハビリを重ねている前田投手。日米通算200勝という節目の記録まで残り44勝。この目標の達成、そして同じくケガで苦しむ子どもたちのためにも、2022年は亀のごとく、1つずつ階段を上がり、戦列復帰を目指していく。