はばたけ九州から未来のスターへ、ただいまファームで奮闘中
高校時代の柿木蓮(大阪桐蔭)
来月、運命のドラフト会議が予定されているが、この時期になると、ドラフトで指名された「あの選手」はどうしているのだろうと、つい思ってしまう。自分が高校時代、大学時代に好きだった、知っていた、取材した選手が、プロの世界に飛び込んだ。一軍に出場するほどになれば、自然と目に耳に飛び込んでくるが、それは一握りの選手だろう。若いうちはファームでじっくりと花を咲かせるために、鍛えている。九州出身としては、どうしても郷土の選手が今、どうしてるのか気になる。
プロ5年目以内の若手選手で、九州出身の選手をピックアップしてみた。
甲子園に出場し、取材したことがある、あの選手はどうだろうか。
明豊の3番。2年生だった17年夏に甲子園に出場し、2試合連発を放った浜田 太貴外野手(福岡県出身)。ヤクルトに18年ドラフト4位で入団した。昨年までの2年は一軍の出場もあったが、今季は開幕直前に「上半身のコンディション不良」で出遅れた影響で、未だ出場なし。ファームでは13試合に出場し、打率.250、本塁打は0。昨年は一軍で33試合に出場し本塁打3を放った姿を早く取り戻してくれることを期待する。
沖縄・興南のショートとして2年夏には甲子園を経験したのは、勝連 大稀内野手(沖縄県出身)。聖地では8打数5安打の成績を残した。オリックスの宮城 大弥投手とはチームメートで、ドラフト1位指名で沸く、興南の校内で、ひっそりとソフトバンク育成4位で指名されていた。会見が開かれた宮城とは対照的に、学校の玄関先で立ったままの取材をした覚えがある。
昨年はウエスタン・リーグに37試合に出場。今季もここまで48試合に出場している。打率は.164とまだまだ非力だが、守備と快足を活かして、育成出身の多いソフトバンクの未来のスターに育ってほしい。
大阪桐蔭の元エースの日本ハム右腕も、実は九州出身だ。18年春夏連覇時の背番号1、柿木 蓮投手(佐賀県出身)。多久市での中学時代は有名人だったが、名門で大きく育った。プロ3年目の今季。まだ一軍登板の経験はない。中日根尾、ロッテ藤原と同期の右腕は、まだまだ鍛錬の時期なのかもしれない。今季もファームで26試合に出場、1勝2敗、防御率は6.62。150キロを超えるポテンシャルを早く咲かせてほしい。
熊本県宇土市出身、九州学院で2年のセンバツに出場した島田 海吏外野手は、阪神で奮闘している。上武大を経てドラフト4位で入団して今年で4年目を迎える。すでに一軍でも昨年に43試合に出場しているが、まだまだ上を目指してほしい。今季も一軍は28試合出場にとどまっている。ファームでは63試合出場、打率.344。盗塁21と37得点はリーグトップの成績となっているが、もちろん本人は納得していない。早く一軍定着からのレギュラーを奪ってくれることを願いたい。
鹿児島の神村学園出身、2年夏には甲子園も経験した広島の羽月 隆太郎内野手は2年目の今季、一軍で34試合出場、打率.272と奮闘中。ファームでは31試合に出場して、打率.305とまずまずだが、飛躍の時は近いのか。
甲子園に出てなくても活躍している選手がいる。福岡県の光陵から九州共立大を経て広島にドラフト2位指名された島内 颯太郎投手。今年3年目だが、25試合、38試合、今年は30試合に登板して、ここまで防御率3.82とまずまずの成績だ。昨年同様の4ホールドをマークした。さらなる飛躍に期待がかかる。
なかなか芽が出ない選手は今季もファームで奮闘中だ。来年に向けての努力の日々が続く。
★投手
ロッテ 中村 稔弥投手(清峰出身)9試合登板、防御率2.63
楽天 内間 拓馬投手(宜野座出身)22試合登板、防御率4.05
楽天 寺岡 寛治投手(東海大五出身)31試合登板、防御率5.48
日本ハム 田中 瑛斗投手(柳ヶ浦出身)17試合登板、防御率8.31
オリックス 山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)16試合登板、防御率4.76
オリックス(育成)川瀬 堅斗投手(大分商出身)1試合登板、防御率27.00
DeNA 浅田 将汰投手(有明出身)5試合登板、防御率14.73
広島 山口 翔投手(熊本工出身)5試合登板、防御率16.71
★野手
西武 川野 涼多内野手(九州学院出身)63試合出場、打率.220
西武 高木 渉外野手(真颯館出身)61試合出場、打率.263
楽天(育成)江川 侑斗捕手(大分高出身)57試合出場、打率.285
オリックス 宜保 翔内野手(未来沖縄出身)63試合出場、打率.225
オリックス(育成)平野 大和外野手(日章学園出身)26試合出場、打率.230
巨人 松井 義弥内野手(折尾愛真出身)6試合出場、打率.056
(※成績はすべて9月16日現在)
(記事=浦田 由紀夫)