BC信濃からヤクルト育成3位の松井聖は東邦高時代に関根大気、石田健人マルクと同級生!
松井聖(BC信濃) ルートインBCリーグ
現在最下位のヤクルトは開幕から捕手に苦しんだ。正捕手である中村悠平が開幕戦の直前に戦線離脱すると、2番手の嶋基宏も骨折の影響で7月12日に登録を抹消された。すでに両選手とも一軍へと復帰してはいるものの、不在期間はおよそ3ケ月となりチームに与えた影響は計り知れない。
そんな背景もあり、10月26日に行われたドラフト会議では2人の捕手を指名している。1人は支配下3位の内山壮真(星稜高)だ。内山は星稜高で奥川恭伸の1学年後輩にあたり、NPBでも再びチームメートとなったことでも話題になった。
そしてもうひとりが育成3位の松井聖(BC信濃)である。今シーズンは51試合の出場で打率.301(143打数43安打)、4本塁打と打撃面でチームを引っ張った。9月30日に行われたBCリーグ選抜対ヤクルト二軍の試合でも、2打数1安打1四球と結果を残している。
そんな松井は東邦高校の出身だ。同学年には関根大気(現DeNA)や石田健人マルク(現中日)がいる。当時の東邦高は強力打線を売りとしており練習試合ではあるものの、森友哉(現西武)らがレギュラーだった大阪桐蔭高に13-0で圧勝したこともあるほどだ。そのなかで松井は3番を任されていた。3年間で一度も甲子園への出場はなかったものの、存在感を発揮していたことは間違いない。
その後、プロ志望届を提出せずに中部大学へと進学。そこでは目立った成績はなく3年時に中退し、香川オリーブガイナーズの門を叩く。そして昨シーズンからはBCリーグへ信濃へと籍を移した。打撃と強肩が売りの捕手として信濃ではキャプテンも務めている。
これまでは打撃面が優秀だったこともあり、外野手や指名打者としての起用も多かった。しかし、本人は強肩をセールスポイントとしており、信濃では捕手としてプレーしてきた。BCリーグに籍を移したのも、捕手へのこだわりがあったからだ。
インタビューでも「常に走って来たのを想定して投げるのがいいと思っている」と捕手としての準備について語っている。
信濃を率いる柳澤裕一監督はドラフト前に、「NPBからマークされる存在になったのは彼の努力の賜物じゃないですかね」と松井の努力を褒め称えていた。その努力がドラフト指名に繋がった言えるだろう。
それを受けてドラフト指名後に松井は、「監督に厳しく指導してもらったおかげです。支配下登録してもらい、両親をはじめ今迄お世話になった方々に恩返しできるよう、頑張ります」と監督、そして両親に恩返しをすることを誓った。
東邦高時代の同級生である関根は高卒でドラフト指名を受けた。そして石田は龍谷大を経て育成でNPB入りを果たし、今シーズン支配下を勝ち取った。松井も2人に続いて、一軍の舞台に立つためにも、まずは支配下登録を勝ち取ることに期待がかかる。
(記事:勝田 聡)