種市篤暉、鈴木将平、長谷川宙輝…2016年ドラフト4位以下からチームの主力へ
高校時代の種市篤暉
ロッテの種市篤暉が開幕から快投を続けている。ここまで6試合に登板し、3勝1敗で防御率2.20はパ・リーグ防御率ランキング2位。7月25日の西武戦ではプロ初完封勝利もマークした。
また、6試合その全てでQS(6回以上自責点3以下)を達成している点も見逃せない。登板した試合は、勝ち負けに関わらず確実に試合をつくっているのである。
勝ち星、防御率、QS数、QS率、奪三振など多くの部門でチーム内ではトップとなっている。昨シーズンも8勝2敗、防御率3.24と好成績を残していたが、さらに一皮向け、エースへの道を突き進んでいると言ってもいいだろう。
そんな種市は2016年ドラフト6位で八戸工大一高からロッテへと入団した高卒4年目。プロ入り同期にあたる同学年の選手を見渡すと、種市以外にも4位指名以下からチームの主力へと羽ばたきそうな存在が多くいる。
投手では今シーズンからヤクルトへと移籍した左腕の長谷川宙輝(聖徳学園高→ソフトバンク育成2位)もそのひとり。長谷川は中継ぎの一角として開幕一軍入りを果たすと、150キロを超えるストレートを武器に回跨ぎもこなしブルペンを支えている。
変化球の精度にやや難があり、BB/9(1試合でいくつの四球を出すかを表す指標)は4.38と低調なものの、K/9(1試合でいくつの三振を奪うかを表す指標)は11.68と三振を奪う能力に長けている。この数値はヤクルト投手陣のなかでもトップの数字となっており、制球難の改善が見られれば、大化けする可能性も秘めている。
野手では鈴木将平(静岡高→西武4位)がそうだ。金子侑司の故障もありスタメンでの起用が増えた鈴木は、7月10日から「1番・中堅」に定着。ここまでの打率は3割を超え、守備でも好プレーを見せている。「ポスト秋山翔吾」となる可能性も大いにありそうだ。
古賀優大(明徳義塾高→ヤクルト5位)も中村悠平と嶋基宏の離脱で巡ってきたチャンスをものにしようと奮闘中。打率.038と打撃面で大きく苦しみながらも、西田明央を差し置いてスタメンで起用される機会があるのは期待の表れでもある。
2016年ドラフト会議で指名された高卒の選手のなかでは山本由伸(都城高→オリックス4位)が、すでにチームの主力だけではなく球界を代表する存在となった。
そして種市もそれに次ぐ存在になりつつある。長谷川や鈴木、古賀といったその他のドラフト中位・下位指名選手たちも今シーズンをきっかけとし、飛躍することに期待したい。
(記事:勝田聡)
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