現役引退の田中賢介(日本ハム)は最後の東京ドーム戦士
田中賢介(日本ハム)
今シーズン開幕前から今年限りでの現役引退を発表していた田中賢介(日本ハム)。9月27日に札幌ドームでの最終戦で2安打1打点と優秀の美を飾っている。この日の2安打で田中はNPB通算1499安打。節目である1500安打にあと1本届かなかったが、そんな田中は日本ハムの東京ドーム時代を知る数少ない選手でもあった。日本ハムは2004年シーズンから本拠地を東京ドームから札幌ドームへと移しているが、それ以前を知る現役選手は数えるほどしかいない。
田中は1999年ドラフト2巡で指名され東福岡高校から日本ハムへと入団した。それ以前に日本ハムへ入団している現役選手は、1998年ドラフト1位の實松一成(佐賀学園高校)ただひとり。その實松も今シーズン限りで現役を引退する。
その他に東京ドーム時代に入団した選手は2002年ドラフト8巡目の鶴岡慎也(三菱重工横浜硬式野球クラブ)と2003年自由枠の糸井嘉男(現・阪神/近畿大)のふたりだけ。鶴岡は2005年が一軍初出場となっており、移転前に東京ドームで一軍の試合に出場したことはなかった。糸井はドラフトこそ2003年だが、プロ1年目が札幌ドーム元年となり東京ドーム時代の日本ハムで出場はない。
東京ドーム時代の田中はレギュラー格の選手としてではなかったが、高卒1年目の2000年から一軍で5試合に出場。初出場、そして初安打は東京ドームで記録した。2年目の2001年には56試合で打率.141(99打数14安打)、3本塁打、9打点の成績を残している。プロ初本塁打、初打点も東京ドームだった。
主力として定着したのは移転後3年目となる2006年だが、それ以前から期待の若手として東京ドームでプレーし多くの「プロ初」を記録していたのである。
そんな最後の東京ドーム戦士ともいえる田中が、札幌ドームでユニフォームを脱いだ。
<成績>
田中賢介(日本ハム)
(2019年)89試合/打率.255(153打数39安打)/1本塁打/16打点/0盗塁
(NPB通算)1619試合/打率.282(5319打数1499安打)/48本塁打/486打点/203盗塁
(記事=勝田聡)