引地、米倉、勝又 甲子園未出場でも上位指名候補に!
多くの選手にとって「運命の日」となるプロ野球ドラフト会議まであとわずかとなった。プロ入りを目指すアマチュアの選手達は「憧れ」を目指し、心を躍らせていることだろう。
今年のドラフト会議は昨年の清宮幸太郎(早稲田実業→日本ハム)のような超大物選手は不在。しかし、根尾昂、藤原恭大(ともに大阪桐蔭)、吉田輝星(金足農)、渡邉勇太朗(浦和学院)といった今夏の甲子園を沸かせた選手が上位で指名されており、逸材がいないわけではない。
上位指名候補となった引地秀一郎
引地秀一郎(倉敷商)
一方で、甲子園に未出場ながら評価が高く、上位指名を受けそうな選手も多くいる。たとえば、引地秀一郎(倉敷商)がそうだ。引地は1年時からベンチ入りを果たしているが甲子園には届かなかった。
だが、最速150キロを超えるストレートにスライダー、カーブ、フォークと変化球を織り交ぜる投球は注目を集めている。身長188センチと長身なこともあり、角度のあるストレートは大きな武器となる。制球面にやや不安はあるが、ドラフト上位指名を受けそうな素材型と言えるだろう。
その他には勝又温史(日大鶴ヶ丘)や米倉貫太(埼玉栄)も名前が挙がっている。ともに甲子園出場とはならなかったものの、県大会などで好投を見せており、スカウトからの評価も高い。ドラフト1位はむずかしいかもしれないが、中位で名前が消えそうな存在だ。
武田翔太が甲子園未出場のドラフト1位で活躍
高校時代の武田翔太(宮崎日大→ソフトバンク)
近年、甲子園に未出場ながら高卒ドラフト上位でプロ入りをはたした投手で実績を残しているのは、2011年の武田翔太(宮崎日大→ソフトバンク)だろう。武田はこれまでに2度の2桁勝利を達成。2017年に行われた第4回ワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表に選ばれている。このように武田は高校時代の甲子園出場がなくともドラフト1位で指名され、プロでも実績を残した好例と言えるだろう。
現在はインターネットの発達もあり、甲子園に出場しなくても選手の情報は手に入りやすくなった。もちろん、各球団のスカウトは現地に足を運んでいるが、情報の手に入りやすさは格段に上がったはずだ。甲子園に未出場でもドラフト1位指名から、プロでスターとなる可能性は十分にある。
引地や勝又、米倉といった甲子園未出場組にはどのような運命が待っているのだろうか。その行方から目がはなせない。
(記事=勝田聡)