中日大砲候補がお目覚めの特大2ラン!山田哲人&清原氏ミックスのスイングに魅了
中日・石川昂弥(東邦出身)
夢を感じさせる打球だった。中日の若き大砲候補、石川 昂弥内野手(東邦出身)が27日、待望の対外試合初の1発を、楽天とのオープン戦でかっ飛ばした。
7番三塁でスタメン出場すると、2回裏2死三塁で迎えた第1打席。やや内角よりの直球に体を反応させてクルリと振り抜くと、打球は軽々と左翼越えの2ランとなって芝生席で弾んだ。石川昂は球場がざわめくなか、少し照れくさそうにダイヤモンドを一周した。
高卒3年目の19年センバツV右腕は、今キャンプでは長距離砲として大きく成長した。紅白戦でも1発を放つなど、開幕スタメンへ猛アピールしていたが、オープン戦2戦目で結果を出してみせた。オープン戦初戦となった26日の阪神戦では7番三塁スタメンも、3打数無安打(1四球)、2三振とまったく結果を出せなかったが、わずか1日で修正してみせた。
高校時代から投手よりも、打者としての評価が高かった。今キャンプ序盤から打撃練習など見ていて、構えからテークバック、そしてインパクトの動きそれぞれで、誰かに似ているなと思っていたが、この日の本塁打を見て、ようやく気づいた。構えからテークバックに行く直前、投手のモーションに合わせて左足をやや上げると同時に、リストをきかせてバットを軽く動かしてトップを作る。これがなんとなくヤクルトの山田 哲人内野手(履正社出身)に似ている。
そして、テークバックからインパクト、フォロースルーにかけては、元西武、巨人で活躍した清原 和博氏に似ている。特に、やや小刻みに動かしながらタイミングをとって踏み出す左足や、右手の押しが強く、インパクト以降にしか力を入れていないような脱力感のあるスイングは、PL学園から西武の黄金時代まで、清原氏を支えたスイングそっくりなのだ。
石川 昂は2人のいいところをミックスしたようなスイングをしている、と個人的に思っている。そのうち、清原氏が全盛期に放っていたような右翼への本塁打を量産するのではないか。少々打てなくても、経験を積ませて大きく育てるために、今年はずっと試合で使い続けてほしい。