侍ジャパンは栗山英樹氏がトップチーム新監督に就任した。今回、WBSCランキングの中身について、もう少し掘り下げができればと考えている。

 アジア勢が1位〜3位で大健闘を見せているが、どの大会、どんな選手構成でポイントを残したのか考えていきたい。


順位ポイント
1位日本4290
2位韓国3423
3位台湾3315
4位アメリカ3077
5位メキシコ2270
6位ドミニカ共和国2063
7位オーストリア1946
8位オランダ1740
9位カナダ1713
10位ベネズエラ1619
11位キューバ1607
12位プエルトリコ1073

 日本は19年のプレミア21で優勝したが、この時の戦力は山本 由伸投手(都城出身)、山岡 泰輔投手(瀬戸内出身)といったオリックスの二枚看板がいて、中日の大野雄大投手(京都外大西出身)、DeNAの山﨑 康晃投手(帝京出身)、オリックスの吉田 正尚外野手(敦賀気比出身)、巨人の坂本 勇人内野手(光星学院出身)といった球界の超一流選手が中心となり、東京五輪にはヤクルトの村上 宗隆内野手(九州学院出身)がいて、プロスペクトとベテランの域に入った一流選手たちがうまく融合した形となり、各国の中でもかなり恵まれた構成となっている。この点についてはNPB球団の協力体制が大きいのと、世界一、アジア一になることが野球の発展の1つにつながる認識が共通しているのだろう。

 選手をリスペクトする姿勢が素晴らしい栗山氏の就任は、NPB12球団と侍ジャパンが団結して戦える要素になることが考えられる。

 2位韓国の国際大会の力の入れ方は、昔から強かった。五輪でメダル獲得した際に与えられる兵役免除や生涯年金などの恩恵も1つの要因だが、韓国の偵察行動も見逃せない。U-18大会から本気度が違い、首脳陣が日本に限らず、どの試合にも足を運んで目を光らせ、選手起用、戦術を決めていく。選手選考の際は必ずサイドスローに入れたり、各野手を見ても役割分担がしっかりしていて、現場側、選考側から「勝つ」ためにどうすればいいか、あくまでU-18での戦いを見ると、日本より理に適っていると思うことがある。

 今回の東京五輪では、韓国球界のクローザー・呉昇桓(オ・スンファン/サムソン)が代表入りしたが、多くの選手が不振に終わった。それでも、国際大会から若手スターを育てていく方針は従来通りで、姜白虎(カン・ベッコ/KT)、李政厚(イ・ジョンフ/キーウム)と、若手スター打者が出てきていること。また球数制限を厳格に設けたことで、早い段階から活躍する投手が続々と現れており、23年度のWBCでは最大のライバルに相応しいチームになる可能性がある。

 3位の台湾は19年のU-18ワールドカップで優勝した。2位となったU18アジア大会のメンバーだった戴培峰捕手(富峰)、林靖凱内野手(統一)、江坤宇内野手(中信)が20年シーズンで開幕一軍入りするなど、楽しみな若手選手が多い。

 4位はアメリカ。この国が凄いのは、MLBの超一流選手の国際大会出場はMLB球団が認めていないため、マイナーリーグに在籍する選手がほとんどの中、NPBでもやれるのではないか?と思わせるほど才能がある選手がゴロゴロいることだ。東京五輪では、今年のセ・リーグ最多勝を挙げた阪神青柳 晃洋川崎工科-帝京大)から本塁打を放ったカサスはこの大会で3本塁打を放ち、WBCのベストナイン一塁手部門に表彰された。

 日本戦で先発したS.バズ(レイズ)は大会後にMLB昇格し、さらにポストシーズンに出場するなど成長を見せた。D・ロバートソン(レイズ)もレギュラーシーズンは12試合に登板、ポストシーズンでは3試合に登板するなど、アメリカは組織全体でランキング上位を目指すというより、超一流が続々登場したWBCと比べ、他の国際大会では、若手やマイナーでプレーしているベテラン選手に光を当てさせる狙いを強く感じる。

 ドミニカは今年のMLB開幕時、ロースターに入った選手がアメリカ以外では最多の98人。ゲレーロJr.(ブルージェイズ)、タティスJr.(パドレス)、フアン・ソト(ナショナルズ)とMLBを沸かせた若手スラッガーがいる。特にゲレーロjrは、23年のWBC出場を表明する意向があるとされ、ゲレーロjrから他のMLBスター選手も加入すればとんでもないドリームチームになる。今年は東京五輪3位。いつも思うのはこの国の選手たちのポテンシャルが高いことで、また見られると思うと、楽しみで仕方ない。

 WBSCランキング11位に苦しんでいるキューバ。MLBのレギュラーシーズンの活躍を重視し、選手の派遣を簡単に認めないMLB各球団、自国のプロリーグの発展を考えるアジア圏と比較すると、国際大会での活躍を重きに置く国柄だが、国が期待する超一流選手が亡命をしてしまい、戦力層が薄い状態のまま臨んでいる。

 近年の国際大会の活躍が顕著な日本は若い選手が多く出てきており、23年のWBCは、その選手たちをメインに選ぶことが予想される。その点については栗山監督のコメントを踏まえて紹介したい。

(記事=河嶋 宗一)