<第67回鹿児島県選抜高校野球大会:神村学園6-4鹿児島実>◇1日◇決勝◇平和リース球場
「やはり、簡単には勝たせてもらえないですね」。神村学園・小田大介監督が試合後に振り返る。3年連続7回目の優勝を勝ち取って、2年前の本大会からスタートした鹿児島県大会の連勝記録は「40」に伸ばしたが、「本命」の夏の大会に向けてはまだまだ課題山積であると、気持ちを引き締め直すきっかけになった。
序盤は良いペースで試合を進めていた。1回裏、一死から2番・入耒田華月(3年)が9球粘って四球を選び、3番・今岡拓夢主将(3年)が初球を右中間に運んで先制。打ってはいけないボールを見逃す「見極め」、打つべきボールを打つ「思い切り」、その匙加減が実に絶妙だと感じた先制点だった。「ファーストストライクから積極的に打つつもりだった」4番・梶山侑孔(2年)も左前適時打で続き、上々の立ち上がりだった。
4回には暴投などで2点を追加し、流れは神村学園にあるかと思われたが、目の前の鹿児島実は簡単に勝たせてくれる相手ではなかった。
先発の右腕・末廣翔(3年)は130キロ台後半の直球に縦のスライダーが絶妙だった。2回以降は変化球主体の投球に切り替えてくると、神村学園の「見極め」と「思い切り」のさじ加減も狂い出す。打つべきボールを打てず、打ってはいけないボールに手が出てしまう。
「力強さ」がいつしか「力み」に変わって思うように点が入らない。加えてエラーが絡む失点があれば、流れが相手にいって1点差まで追い上げられるのは「必然」だ。エラーからの失点など「流れを切るプレー」(小田監督)があったのは、夏3連覇を目指すなら何より修正しなければいけない点だ。
「もっと考えて野球をやらないといけない」と小田監督は試合後、選手たちに語り掛ける。攻撃でも、守備でも、ベンチで控えている選手にも、それぞれが、それぞれの場面で果たすべき仕事があるはず。それを考えられる集団になることも、夏への宿題だ。
昨年の今岡、入耒田、早瀬 朔(3年)のように「チームを勝たせられる選手が2年生の中から出てくる」(小田監督)ことも必要だと感じている。その意味では2年生4番の梶山にその「芽」が見えたことは「収穫」だった。
初回の適時打。5回はボールをしっかり見極めて四球を選び、7回は縦の変化球をしっかり読んで、中前に弾き返した。打球が速くて適時打にはならなかったが、結果的には好機が広がり、エラーで決勝点となる2点を追加するきっかけになった。「追い込まれたら、バットを短く持ってコントロールする」ことを意識していたのが功を奏した。
「野球には『絶対』がない。前回良かったから今回も良いとは限らない。今回打てたから、次打てる訳でもない。だからこそよく考えないといけない。今大会は良い学びが得られた大会だった」と小田監督は言う。今大会優勝できたからといって夏3連覇できる保障はどこにもないが「お前らなら、まだまだやれるはずだ!」と檄を飛ばしていた。
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