<令和7年度 春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:八幡商11-1玉川(5回コールド)>◇29日◇3回戦◇HPLベースボールパーク

 春夏合わせて14度の甲子園出場を誇る伝統校の八幡商が5回コールド勝ちで8強入りした。

 八幡商には1年夏から主力として活躍する選手がいる。それが主将を務める1番中堅の磯部 煌太外野手(3年)と4番左翼の脇坂 航大外野手(3年)だ。

 磯部は50m走のタイムが5秒91の俊足。確実性の高い打撃と広い守備範囲にも定評がある。

 脇坂は県内屈指の左の長距離砲。身長177㎝、体重95㎏の恵まれた体格から強烈な打球を放つ。

「磯部が出て、脇坂が還すのがうちのパターン」と話す小川 健太監督。この日は磯部が4打数3安打2打点3盗塁、脇坂が4打数2安打1打点とそれぞれ仕事を果たした。

 1点を先制された直後の1回表、磯部が左前安打で出塁すると、「『行けたらどんどん走っていこう』とチーム内で話していました」と盗塁を決めて二塁に進塁。その後、無死満塁となり、脇坂の右前適時打で同点に追いつく。

 これで勢いに乗った八幡商は打線がつながり、打者12人の猛攻で7得点。序盤で早々に勝負を決めた。

 今大会の脇坂は8打数6安打と大当たり。「2年生まではファーストストライクを見逃してしまう癖がありました。ストライクをガンガン狙って、積極的振っていくことでチャンスボールが増えていくので、それが好調の要因かなと思います」と語る。

 卒業後は大学進学の予定だが、プロのスカウトも注目する選手。打席の風格も十分にあり、これからますます警戒されるだろう。

 夏のシード権を懸けた準々決勝では強豪の近江と対戦する。今の3年生は1年生大会で勝っており、苦手意識はない。

「自分たちの野球をして勝ちたいと思います」と次戦に向けて意気込みを語った磯部。5月3日にHPLベースボールパークで行われる準々決勝は注目の一戦になりそうだ。