NPBの二軍に昨年から参入したくふうハヤテの投手陣が、成長を遂げている。4月27日終了時点(以下同)のチーム防御率3.97はウエスタン・リーグ最下位ではあるが、昨年の防御率4.65と比べると大きく改善された数字だ。
その投手陣を引っ張っているのが、巨人から派遣されている山田 龍聖(高岡商)だ。ここまで6試合(5先発)に登板し、28回を投げて2勝0敗、防御率1.29。防御率ランキングで2位につけている。ストレートは140キロ前後と、決して速い球ではないが、決め球のチェンジアップが効果的で、スライダーも交えた緩急には目を見張るものがある。巨人では育成契約だったが、この調子を維持できれば支配下復帰への道筋も見えてきそうだ。
昨年オフに巨人から戦力外通告を受け、今年からくふうハヤテに加入した笠島 尚樹(敦賀気比)も、0勝3敗と勝ち星こそないが、25回1/3を投げて防御率3.55と好投を続けている。昨年オフにソフトバンクを戦力外となった佐藤 宏樹(大館鳳鳴)も、笠島と同じく0勝4敗ながら、26回2/3を投げて防御率3.71と安定した投球を見せている。
昨年チームトップの110回1/3を投げ、防御率3.18だった二宮 衣沙貴(現CPBL富邦/享栄)、同2位の109回を投げて防御率3.47だった西濱 勇星(現ヤクルト/関東学園大付)、同4位の95回を投げて防御率3.22だった早川 太貴(現阪神/大麻)が抜けた中で、新たに加わったNPB球団に所属していた先発投手陣が踏ん張っているのだ。
中継ぎ陣も負けていない。野里 慶士郎(足立西)は12試合(12回)で防御率0.75。被打率.171は、10回以上を投げた投手の中でチームトップだ。
このほかにも、元DeNAの池谷 蒼大(静岡)が11試合(13回1/3)で防御率2.03、倉橋 瞳人(啓新)は11試合(11回)で防御率2.45、医師免許を取得した竹内 奎人(静岡)も9試合(15.1回)で防御率1.17と、多くの中継ぎ投手たちが結果を残している。また、高卒2年目の大生 虎史投手はまだ6試合登板だが、最速154キロをマークし、まだ19歳ということで、ドラフト候補として注目度が挙がっている。若手の有望株が出てきたことも好材料だ。
昨年10月に行われたドラフト会議では、早川しか名前を呼ばれなかった(※西濱はオリックスにかつて所属していたため、ドラフト指名は不要だった)。好投を続けている投手たちの中から、早川のようにドラフト指名される選手や、西濱のようにNPBへ復帰する選手が現れることを願いたい。