全国でも有数の激戦区の1つとして数えられる愛知県。なかでも
の「愛知私学4強」と称される4校は、注目度が頭1つ抜けている。この学校たちを乗り越えようと、ライバル校たちは日々牙を研いでいる。
その中には、「セカンド私学」と呼ばれる実力校・星城も含まれている。
「正直悔しい気持ち」で終わった短すぎた秋
夏の愛知大会ではベスト16入り。2022年にはベスト8、そして2021年はベスト4入りと、毎年結果を出し続けている。「愛知私学4強」の牙城、そして初めての甲子園出場へ、着実に近づいている実力校だが、秋の大会はチームに大きな試練を与えた。
名古屋地区予選、1次予選を2位で通過。県大会がかかった2次予選へ進んだが、中部大春日丘の前に2対5で敗戦。県大会の切符をつかむことが出来なかった。夏の甲子園がまだ開催されている最中、星城は早すぎる秋の終わりを迎え、長いオフシーズンを過ごすことになった。
「先輩たちの世代から公式戦を経験しているメンバーは大勢いましたが、ケガ人が多くて、なかなかフルメンバーで試合をすることが出来ず。そんな状況だったからなのか、チームの雰囲気にも課題があり、公式戦で勝つことの難しさ、大変さを改めて痛感する大会になりました」
チームをまとめる主将・松岡幸汰外野手(2年)は悔しさを思い出すように、秋の大会を振り返った。先輩たちとともに戦ってきたからこそ溜まっていた疲労はもちろん、「自分たちは小柄でパワーもなかなかない状況」とフィジカル不足を松岡主将は指摘。課題であり、伸びしろだと認識しながらも、松岡主将は改めてこう語る。
「(1次予選初戦・千種戦に)勝てると思っていた部分もあっただけに、いきなり敗れたことは、正直悔しい気持ちがありました」
しかし、その悔しさは、2024年3月から指揮官に就任した宮地正監督も同じだ。
「今年は投打ともにバランスの取れているチームだと思っていました。ですので、スタート時は『ある程度戦えるのではないか』と思っていました。だからこそ、秋の地区予選敗退は正直、ショックの一言です」
松岡主将が話していた、ベストメンバーが組めなかったというチームの現状は宮地監督も理解している。それでも勝たせてあげられなかった。県大会まで選手たちを導けなかった。指揮官としての責任感も相まって、宮地監督はショックがあったに違いない。