試合レポート

【春季東京都大会】新星現る! 東京高・永見光太郎が二松学舎大附を3安打1失点に抑え込む! 二松学舎大附、夏はノーシードに

2024.04.07


東京・永見光太郎

<春季東京都高校野球大会:東京2-1二松学舎大附>◇6日◇3回戦◇JPアセットスタジアム江戸川

東京都の高校球界に新たな逸材が登場した。東京永見 光太郎投手(3年)だ。2日の1回戦で成立学園を2対0の完封で勝利すると、4日の2回戦でも、プロ注目の森井 翔太郎内野手(3年)を擁する桐朋を、またも2対0で破った。2試合連続完封だけでもすごいことだが、3回戦は中1日。しかも相手は強打の二松学舎大附。いかに好投手でも、今度ばかりは状況が悪すぎる。

永見も「少し疲れはありました」と言うが、1回の二松学舎大附の攻撃を、奪三振2の三者凡退に抑える。2回はこの春から三塁手になっている全国レベルの強打者・片井 海斗内野手(3年)から始まったが、片井も三振に仕留め、この回も三者凡退に抑えると、スタンドがざわめきだした。

二松学舎大附の先発、身長163センチの左腕・関根 侑真投手(3年)も丁寧な投球で得点を与えない。両チームの守りも固く、速いテンポで試合が進む。0対0の均衡を破ったのは東京だった。5回、この回先頭の7番・山口 潤人内野手(2年)が二塁打を放つと、8番・関 諒也内野手(3年)の一ゴロで三塁に進み、9番・佐藤 陽飛外野手(3年)の中前安打で還り、下位打線で1点を先制した。

その裏、二松学舎大附は、やはりこの回先頭の5番・小枝 英心外野手(3年)が二塁打を放ち、6番・五十嵐 将斗内野手(3年)の中飛で三塁に進み、7番・永尾 愛蓮捕手(2年)の二ゴロで還り同点に追いつく。両校とも同じような形で得点を挙げ、均衡がさらに続くかと思われた。

ところが6回、東京は1死後、4番・森田 恭輔内野手(3年)、5番・星野 翔斗外野手(3年)の連続安打に、暴投で二、三塁に進み、6番・中村 悠佑の中犠飛で森田が還り、勝ち越した。東京は大物打ちの選手はいないものの、各選手が鋭い振りで安打を重ねる。

1点のリードを得て、東京の永見の投球はさらにテンポが良くなる。秋は133キロほどだった直球はこの春140キロを超え、カットボールやカーブが効果的に決まる。二松学舎大附は、6回以降は二塁に走者を進めることすらできず、9回最後の攻撃を迎える。

2番から始まる打順であったが、あっさり2死となり、4番の片井を迎える。片井もワンボールから2球目を打ち上げ二飛。東京が2対1で二松学舎大附を破る大金星を挙げた。試合時間は1時間40分。スコアボードに表示された安打数は東京が11で二松学舎大附が3。スコアは1点差だったが、走者を出して押し気味だったのは東京だった。

好投の永見は、秋季都大会では肩の調子が思わしくなく投げていない。それでも東京の松下 浩志監督は、「練習に対する姿勢が違いました。体づくり、走り込みをしっかりして、トレーニングを重ねてきました」と語る。この試合で効果があったカットボールは、この大会から使い始めたばかりだ。これから体ができてくれば、さらに球速が増すに違いない。二松学舎大附を破ったことでマークも厳しくなるだろうが、今後への期待が膨らむ力投であった。

敗れた二松学舎大附は昨年に続き、ノーシードで夏を迎えることになる。主将が五十嵐から長野 清弥内野手(3年)に代わり、片井が一塁手から三塁手にコンバートされ、2年生の大橋 零外野手(2年)を3番・左翼手に抜擢するなど、いくつかの変化があった。秋は準々決勝で日大二に敗れ、この春も3回戦で敗退となった。それでも、選手個々のレベルは高い。危機意識を持った二松学舎大附は、相手校にとっては脅威だ。この敗戦でまた1つ、ノーシードの強豪が誕生した。

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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