【春季鹿児島大会】「終盤の大島」が復活!
大島6点目
<第154回九州高校野球大会鹿児島県予選:大島9-3武岡台>◇21日◇1回戦◇平和リース
大島は初回、4番・永田 泰雅(3年)の内野ゴロで1点を先取。3回は暴投で2点目を挙げた。
3回、武岡台は1死から2番・福倉 悠生主将(3年)が中前打で出塁し、3番・渡邊 蒼太(3年)が中越え三塁打を放って1点を返す。連続内野安打で三走・渡邊はかえれなかったが、6番・四丸 晴稀(3年)の二ゴロの間にようやく生還し同点に。更に一、三塁で一走・四丸が一、二塁間に挟まる間に、三走・友江 圭秀(2年)が判断良く本塁を陥れ、初めてリードを奪った。
大島は5回に再び4番・永田の左前適時打で同点とする。
8回、3連打で満塁とし1番・吉野 翔(3年)の内野ゴロで再び勝ち越し。3番・要 彌真登主将(3年)の中前2点適時打で3点差とした。
その裏、2死満塁のピンチをしのぐと、9回表は、捕逸に、9番・安田 喜之祐(3年)の中越え三塁打、1番・吉野の犠飛で更に3点を加えた。
右横手のエース田中 誇生(2年)は6回まで毎回走者を背負いながら、粘り強く投げて守備のリズムを作った。7回からは球威のある富 虎太郎(3年)がリリーフ。最後は併殺で、2時間34分の熱戦を締めくくった。
最後の打球が遊撃手・中田 舜也(3年)のグラブに収まり、併殺で勝利が決まると、大島ナインは優勝したかのように歓喜を爆発 させた。22年夏、決勝に勝ち進んで以来となる、約1年8カ月ぶりの県大会勝利だった。
「遠かった1勝でした」と要主将(3年)。1年夏の決勝で鹿児島実に敗れて以来、秋、春、夏の県大会で1勝もできなかった苦しい思い出が蘇る。自分たちの代で県大会未勝利に終わった今年の卒業生の思い。その思いに自分たちが昨秋応えられなかった悔しさをぶつける意気込みで、春に挑んだ。
「勝ち方を忘れてしまった」(要主将)もどかしさが、特に攻撃面で顕著に出た。早いカウントで簡単に飛球を打ち上げ、点は入っても単発に終わり、複数得点ができない。
それでも2年生エース田中、リリーフした富、両投手が持ち味を出し、守備で粘り強く無失策で守って3回の3失点以外の失点を許さなかった。
守備の粘りがようやく攻撃のリズムにつながったのが、8回だった。打ってつなぐ大島らしさを発揮して勝ち越し。3番・要主将がこの冬、打力と得点力を上げるために取り組んだ「野手のいない場所をめがけて打つ」打撃で中前2点適時打を放ち、勝利を決定づけた。
「終盤に強い大島がようやく復活できた」と小林誠矢監督も感無量の様子。この1勝を新たな歴史のスタートとするために「次戦以降も一戦必勝を積み上げていく」と燃えていた。