システム変更、強豪校がノーシードで激戦必至!静岡春季大会予選を占う!
清水桜が丘・山田翔生
静岡県の春季と秋季大会は、昨秋から予選システムが変更された。従来の東部、中部、西部の三地区による敗者復活戦ありの戦いから、より県大会出場校を多くしていくということで、初戦からの敗者復活制度はなくなった分、出場校枠は増えた。初戦を突破しなくては、次がないということになった一方で、1つ勝てば、次の試合では敗者復活戦もあるし、県大会進出の確率も上がっていくというシステムである。この春も、そんなシステムで静岡県大会が運営されていく。すでに予選の組み合わせが決定。好カードを拾っていってみよう。
新システムになった昨秋、初戦では静岡はじめ、静岡商や掛川西といった伝統校が初戦で敗れ、県大会進出を逃した。その結果、今春の1次予選でも、それらの伝統校がいずれもノーシードで戦うということになった。東部地区35校、中部地区32校、西部地区39校で1次予選から、激しい戦いが行われる。各会場では、より激しい戦いも予想される。
中部地区初戦で「静岡商-島田商」の伝統校対決!
近年の静岡県では東部地区では日大三島を筆頭に加藤学園、知徳、飛龍、御殿場西に桐陽といったところが競り合っているが、沼津東や富士市立、富士と公立勢も健闘している。21世紀枠でセンバツ出場を果たしたことのある三島南も侮れない。
今春の組み合わせで言えば、知徳と桐陽、御殿場西のゾーンが注目だ。その他、2回戦で当たる可能性のある富士と富士市立の対戦も興味深い。加藤学園や日大三島、飛龍あたりは、すんなりと勝ち上がってきそうだ。
有力校がノーシードとなっている中部地区では、静岡と駿河総合が2回戦で当たる可能性があるのが興味深い。静岡商も初戦で島田商との伝統校対決となり、これは古くからの県内の高校野球ファンにとっては興味深いところである。
清水桜が丘と静岡市立の対戦も好カードか。東海大静岡翔洋は初戦で島田工と当たるが、勝てば西部地区の浜松江之島と磐田西の勝者ということになる。これは地区予選ながら中部地区と西部地区がクロスしての対戦となり、新システムならではのものである。
昨秋の優勝校の藤枝明誠や、常葉大橘などはスムーズに県大会進出を果たしそうだが、どうだろうか。
浜松開誠館vs.オイスカ浜松国際の「珍ユニ対決」はあるか!?
掛川西は初戦で磐田南と当たることになっており、勝てば浜松北と磐田農の勝者と当たる。磐田東は初戦突破すれば、浜松修学舎と浜松城北工の勝者との対戦となり、好試合が期待される。
浜松市立と常葉大菊川が当たりそうなブロックや、浜松商と浜松大平台の1回戦なども面白い戦いになりそうだ。お互いに初戦を突破すれば浜松開誠館とオイスカ浜松国際も特徴的なユニホームの両校ということでもあり、楽しみな対戦となる。聖隷クリストファーはすんなりと勝ち上がりそうだ。
各校は、1つ勝てば(組み合わせによっては桐陽と御殿場西、遠江総合と横須賀など2勝することが必要となるゾーンもある)次は敗れても敗者復活戦があるので、修正して県大会進出をかけての戦いに挑むことができる。これが、新システムの特徴でもある。
また、上位決定戦では実力校同士の対戦もありそうで、興味深い。ここで勝てば、県大会へ勢いをつけられる。
春季大会の序盤は、一冬越えた各校が、どれだけ戦力を整えてきているか、というのも見どころ。どれだけ冬の間に自分たちの不足していた部分を補えているのかの発表の場でもある。
この春にどのような成果を披露できるのか。それが、そのまま夏に繋がっていくというのは言うまでもないことである。
(文/手束仁)
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