センバツ21世紀枠は、創意工夫の別海とカウンセリングなどが評価された田辺が選出
選出されて喜びを爆発させる田辺ナイン
2024年春の第96回選抜高校野球大会(センバツ)に出場する21世紀枠2校は、別海(北海道)と田辺(和歌山)に決まった。
別海の選出理由については、農業や漁業に従事する地元の支援を受け、農業用のビニールハウスを活用し、手作りの練習設備を利用するなど、高校野球の理念にふさわしい姿が評価された。
北海道大会初勝利から4強に勝ち上がり、北海道東部の、人口1万4000人あまりの地元を盛り上げていることが挙げられた。
2校目については、別海のほか8校のなかから、評価が高かった4校を中心に議論が進み、僅差で田辺が選出された。選考理由としては、教育相談を担った経験のある監督がスクールカウンセラーと連係し、イップスを克服するなどのサポートを行ったり、相談に乗るなど対話を重視。1人1人をフォローするという、これからの時代のあり方として評価されたことが挙げられた。
昨年秋の県大会では市立和歌山、智辯和歌山を破った実力も評価され、「愛される野球部になろう」というモットーのもと、野球教室で地域貢献に務めていることも評価された。
別海は春夏通じて甲子園には初出場。人口の約8倍の牛が飼われている別海町からの出場は、センバツ歴代出場校のなかで最東端の選出となった。
田辺は76年ぶり3度目のセンバツ出場となる。前回、1948年の第20回大会では1勝を挙げて8強まで進んだ。伝統校復活の勢いを今センバツでも見せるつもりだ。
補欠の1校目は鶴丸、2校目は仙台一。ともに全国屈指の進学校だが、僅差で田辺に敗れ、選出とはならなかった。