大阪ガス・髙波寛生、ドラフト候補に浮上する大活躍! 日本通運を破り8強進出!<社会人日本選手権>
3回裏に同点のソロ本塁打を放ち、ガッツポーズを見せる髙波寛生(大阪ガス)
<第48回社会人野球日本選手権大会:大阪ガス4-1日本通運>◇15日◇2回戦◇京セラドーム大阪
大阪ガスが日本通運を下して、優勝した2年前以来となる8強入りを果たした。
3回に1点を先制されたその裏、試合の流れを変えたのは8番遊撃のルーキー・髙波 寛生内野手(川越東出身)だ。この回先頭の髙波は1ボール1ストライクから「上手く肘が伸びるところで当たってくれたので、思い描いた打球が打てたと思います」と低めの球を拾うと、打球は右中間スタンドに飛び込むソロ本塁打。一振りで試合を振り出しに戻した。
大阪ガスは4回に1死一、二塁から6番・山川 晃汰外野手(長崎商出身)の左中間を破る2点適時二塁打で勝ち越しに成功。さらに6回には2死二塁から髙波が内角高めの直球を振り抜くと、右中間への適時三塁打となり、大きな追加点を挙げる。前田孝介監督も「向こうにダメージを与えられる4点目だった」と語った。
投げては、先発の稲垣 豪人投手(日本文理出身)が8安打を許しながらも、最速148キロの直球とスプリットなどを駆使する粘り強い投球で1失点完投。「丁寧に投げてくれました」と前田監督は頷いた。
打のヒーローとなった髙波は「1回戦では打撃の方で全く戦力になれていなかった。2回戦は絶対に自分がチームの勝利に貢献できる一打を打ちたいと思っていたので、それが結果的にホームランとスリーベースになって良かったです」と充実した表情を見せた。
188センチの長身に関わらず、軽やかな守備を見せ、打でも存在感を発揮した髙波は来年のドラフト候補に挙がる可能性も十分にある。「資質はあるんでしょうね。もっと野球を勉強して、グッと伸びてほしいと思います」と前田監督のかける期待も大きい。
関西学院大時代から大きく成長したのは体つき。大学時代は80キロ台前半だった体重は91~2キロに増えたという。特に6回の適時三塁打は大阪ガスに入社してからの努力の成果だと語っている。
「大学時代だったら、あれがバットをへし折られたりしていたと思うんですけど、社会人になってウエートトレーニングも食事も意識高くやった成果として、詰まっても外野の頭を越えるような打球が打てるようになったんだと思います」
阪神・近本 光司外野手(社出身)や楽天・小深田 大翔内野手(神戸国際大附出身)など、ここ数年で多くのプロ野球選手を輩出している大阪ガスで、髙波も順調にスケールアップを遂げている。「大阪ガスというチームがすごく好き」と語る若武者が、2大会ぶりの優勝を狙うチームの起爆剤となる。
取材・文=馬場 遼