【甲子園】準決勝 仙台育英 vs 神村学園
【甲子園】総合力の高さを見せつけた仙台育英、守備で食らいついた神村学園
<第105回全国高校野球選手権記念大会:仙台育英6-2神村学園>◇21日◇準決勝◇甲子園
連覇を狙うチームの総合力の高さを垣間見た。仙台育英(宮城)が、神村学園(鹿児島)の好投手を見事に攻略して、2年連続の決勝進出。04、05年の駒大苫小牧(南北海道)以来、史上7校目の夏連覇へ王手をかけた。
仙台育英打線が、見事に好投手を攻略してみせた。2回途中からリリーフした神村学園の黒木 陽琉投手(3年)の生命線である低めのカーブを徹底して見極めた。それまで対戦相手打線が低めへのボール球で空振りを奪われることが多かったが、仙台育英打線はこのボール球に手を出さなかった。3回に黒木から4点を奪うビッグイニングを作ったが、このイニングでカーブを空振りすることがなかった。打ち取られることもあったが、空振りが1つもなかった。
黒木にはこの状況は重くのしかかったに違いない。いつもはとれるカーブでの空振りが取れない。低めのボールになるスライダーが通用しない。これで黒木が動揺したのか、フォークが抜ける場面もあった。鈴木 拓斗外野手(2年)が、高めに甘く入ったカーブをとらえて2ランにしたのも、ある意味、必然的だったとも言える。
8回も、1番・橋本 航河外野手(3年)がカーブをとらえての中前適時打で奪った1点だった。
初回から積極的に足も使った。走者が出るたびに盗塁を仕掛け、5盗塁をマーク。さらにクリーンアップがスクイズも決めるなど、引き出しの多い攻撃で強さも見せつけた。
6回からリリーフでマウンドに上がった湯田 統真投手(3年)は、大会最速タイの151キロをマークするなど、6回から8回までパーフェクト投球。最後まで得点を許さず神村学園の強打の打線を力でねじ伏せた。
神村学園は好守備で甲子園を沸かせた。準々決勝まで3試合すべてで2ケタ得点を挙げるなど攻撃面が目立ったが、準決勝ではヒット性の当たりをアウトにする好プレーが続出し、守備面でもレベルの高さを見せていた。中軸を含めてこの日先発した9人中、4人が2年生。来年も秋からの新チームも、破壊力抜群のチームになることが期待される。