県立岐阜商vs津商
県立岐阜商が、当初の予定通りの3人継投で津商に完封勝利
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5イニングを無失点に抑えた県岐商・今井君
<春季高校野球東海大会:県立岐阜商3-0津商>◇20日◇1回戦◇静岡草薙
東海地区の公立校としては、県でも毎大会のように上位に残っている、伝統の商業校同士。全国的な傾向として、私学勢が圧倒的な今の時代に、こうして公立商業校が東海大会の常連となっているのは、見事といっていいであろう。もちろん、伝統校でもあり、有望中学生選手の獲得などにも、OB会など周囲の協力もあるということは否めないであろうが、多くの公立校にとっては、やはり一つの指標となる存在と言ってもいいであろう。
県立岐阜商(岐阜)は県大会の終盤は僅差の戦いを何とか凌いで勝ち上がってきた。そのあたりは、やはり勝負強いと言っていいであろう。津商(三重)も、県大会決勝はいなべ総合に屈したものの、松田 空知投手(3年)を軸として、守りの野球が安定していた。
そして、この試合も県立岐阜商は左腕・今井 翼投手(3年)、津商は右サイド気味の松田と、ともに背番号1が先発マウンドに立った。
県立岐阜商は初回、松田の立ち上がりを攻めて2点を挙げる。その裏、津商も先頭からの連打と送りバントで1死二、三塁と、一打同点機を作るが、ここは今井が踏ん張って二者を打ち取った。
3回にも県立岐阜商は失策絡みで2死二、三塁としたところで、ボークで幸運な追加点を奪う。こうして、試合は県立岐阜商のペースで進んでいった。初回には連打した津商だったが、以降はなかなか突破口を作り切れなかった。
そして、試合も3対0のまま試合としては、やや淡々とした感じで進んでいく。立ち上がりに少し県立岐阜商打線に捉えられた松田も投げ込んでいって、回が進んでいくうちに、持ち味のスライダーの切れ味が戻ってきた。「十分に対策は練ってきていた」という県立岐阜商打線も、やや打ちあぐねていくという状態になった。
また、県立岐阜商は先発今井が5回を投げて山口 恵悟投手(3年)、森 厳徳投手(2年)と2人が2イニングずつ投げて、3人でつないでいったが、結果的には完封の3人の継投ということになった。鍛治舎巧監督は、「最初は3人で3回ずつ行こうと思っていたんだけれどもね、今井がよかったので5回まで行かせました。山口がね、ちょっと思っていたより球が来てなくて、バラついていたし、あとは森が何とかしてくれるだろうということで、2回で代えました」と、継投について話してくれた。
また、この日は先発メンバーには2年生で、県大会では登録していなかった選手を起用するなどして打線を組み替えたが、「やっぱり、硬かったかなぁ、練習では打っていたので期待していたんですけれどもね」と、やや残念がっていた。それでも、「2年生が出てきてくれたことで、チームとしての層は厚くなった」と、夏へ向けての準備としては順調に行っているということをアピールしていた。
津商としては、結局初回以外は三塁へ走者を進めることもできず、2回以降は散発3安打。これでは、宮本健太朗監督としても手の施しようがなかった。
なお、清水庵原球場では三重県1位のいなべ総合が至学館(愛知)に敗れたということで、三重県勢は初日で姿を消したということになってしまった。
(取材=手束 仁)