試合レポート

県立岐阜商vs津商

2023.05.21

県立岐阜商が、当初の予定通りの3人継投で津商に完封勝利

県立岐阜商vs津商 | 高校野球ドットコム
5イニングを無失点に抑えた県岐商・今井君

<春季高校野球東海大会:県立岐阜商3-0津商>◇20日◇1回戦◇静岡草薙

 東海地区の公立校としては、県でも毎大会のように上位に残っている、伝統の商業校同士。全国的な傾向として、私学勢が圧倒的な今の時代に、こうして公立商業校が東海大会の常連となっているのは、見事といっていいであろう。もちろん、伝統校でもあり、有望中学生選手の獲得などにも、OB会など周囲の協力もあるということは否めないであろうが、多くの公立校にとっては、やはり一つの指標となる存在と言ってもいいであろう。

 県立岐阜商(岐阜)は県大会の終盤は僅差の戦いを何とか凌いで勝ち上がってきた。そのあたりは、やはり勝負強いと言っていいであろう。津商(三重)も、県大会決勝はいなべ総合に屈したものの、松田 空知投手(3年)を軸として、守りの野球が安定していた。

 そして、この試合も県立岐阜商は左腕・今井 翼投手(3年)、津商は右サイド気味の松田と、ともに背番号1が先発マウンドに立った。

 県立岐阜商は初回、松田の立ち上がりを攻めて2点を挙げる。その裏、津商も先頭からの連打と送りバントで1死二、三塁と、一打同点機を作るが、ここは今井が踏ん張って二者を打ち取った。

 3回にも県立岐阜商は失策絡みで2死二、三塁としたところで、ボークで幸運な追加点を奪う。こうして、試合は県立岐阜商のペースで進んでいった。初回には連打した津商だったが、以降はなかなか突破口を作り切れなかった。

 そして、試合も3対0のまま試合としては、やや淡々とした感じで進んでいく。立ち上がりに少し県立岐阜商打線に捉えられた松田も投げ込んでいって、回が進んでいくうちに、持ち味のスライダーの切れ味が戻ってきた。「十分に対策は練ってきていた」という県立岐阜商打線も、やや打ちあぐねていくという状態になった。

 また、県立岐阜商は先発今井が5回を投げて山口 恵悟投手(3年)、森 厳徳投手(2年)と2人が2イニングずつ投げて、3人でつないでいったが、結果的には完封の3人の継投ということになった。鍛治舎巧監督は、「最初は3人で3回ずつ行こうと思っていたんだけれどもね、今井がよかったので5回まで行かせました。山口がね、ちょっと思っていたより球が来てなくて、バラついていたし、あとは森が何とかしてくれるだろうということで、2回で代えました」と、継投について話してくれた。

 また、この日は先発メンバーには2年生で、県大会では登録していなかった選手を起用するなどして打線を組み替えたが、「やっぱり、硬かったかなぁ、練習では打っていたので期待していたんですけれどもね」と、やや残念がっていた。それでも、「2年生が出てきてくれたことで、チームとしての層は厚くなった」と、夏へ向けての準備としては順調に行っているということをアピールしていた。

 津商としては、結局初回以外は三塁へ走者を進めることもできず、2回以降は散発3安打。これでは、宮本健太朗監督としても手の施しようがなかった。

 なお、清水庵原球場では三重県1位のいなべ総合至学館(愛知)に敗れたということで、三重県勢は初日で姿を消したということになってしまった。

(取材=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.27

昨夏甲子園4強・神村学園が連覇かけ鹿児島決勝に挑む!樟南は21度目の甲子園狙う【全国実力校・27日の試合予定】

2024.07.26

名将の夏終わる...春日部共栄・本多監督の最後の夏はベスト4で敗れる【2024夏の甲子園】

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.26

「岐阜県のレベルが上がっている」県岐商が2年ぶりの決勝進出も、岐阜各務野の戦いぶりを名将・鍛治舎監督が称賛!【24年夏・岐阜大会】

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」