鹿屋中央vs伊集院
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「グラウンドに立てて、野球ができて良かった」鹿屋中央
鹿屋中央・愛甲
市民球場の開幕戦は、両左腕エースを中心に両チーム無失策、テンポの良いスピーディーな展開で9回まで1時間30分で終了する引き締まった好ゲームだった。
鹿屋中央・愛甲 一樹投手(3年)、伊集院・鈴木 皓陽投手(3年)、両左腕とも制球が安定し、少ない球数で打たせてとる投球がさえ、5回表まで無失点だった。
均衡が破れたのは5回裏。4回まで無安打に抑えられていた鹿屋中央だったが、4番・馬場畑 武蔵(3年)がチーム初安打となる内野安打で出塁すると、5番・糸井 悠人(3年)が初球を積極的に叩く。右中間を破る三塁打となり先制した。
左投手に対して「右打者の出来がカギを握る」と考えていた山本 信也監督。カギとなる4、5番の右打者が期待通りの打撃をしたことで打線に火が付き、6番・川井田 利気(3年)、9番の愛甲にもタイムリーが出て3点を先取した。
8回には1死から代打・松原 琉輝(2年)が右前安打で出塁。代走・大坂 塁(2年)が二盗、三盗と技ありの走塁で揺さぶり、2番・今釜 陸(3年)が左翼越え三塁打を放ち、貴重な4点目を挙げた。
愛甲は8回まで散発3安打、89球の省エネ投球。6回以降、毎回走者を出したが3併殺をとるなど守備も安定し、伊集院打線に三塁を踏ませなかった。
伊集院は6、7回と先頭打者を出し、反撃の機会を作るも、得点圏に送り切れず、好投の鈴木を援護できなかった。
「グラウンドに立てて野球ができて良かった」
山本監督は結果や内容よりも、試合ができたことに安堵の表情を浮かべていた。
1月以降は新型コロナ第6波の影響で学校の休校が続いた。本来なら身体づくりをして一回りも二回りも大きくする時期に練習ができなかった。全寮制のため、1人でも感染者が出たら全員が濃厚接触者となってアウトとなる。寮からの外出は原則禁止。家庭内感染が増えているため、親との接触も認めなかった。
「いろいろな我慢を強いた中で、選手たちがよく耐えてくれた」と山本監督。持ち味の打力を発揮しきれたわけではなかったが、エース愛甲を中心に守備が安定し、内容的にもまずまずの試合ができた。2回戦は昨夏、秋と続けて惜敗した樟南。「こんなに早く樟南にリベンジできるのは幸せ。次からは切り替えていきますよ」と勝負師の顔に戻っていた。
(取材=政 純一郎)
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伊集院・鈴木
鹿屋中央・板敷
鹿屋中央1点目・糸井三塁打