試合レポート

石岡一vs水城

2013.05.03

石岡一vs水城 | 高校野球ドットコム

中島君(石岡一)

石岡一が14安打7得点で水城に完勝!

 昨夏準優勝の水城石岡一との対戦。戦前予想では水城有利だが、鹿島戦で18奪三振を奪った石岡一のエース・中島 唯人が水城打線にどんな投球を展開するか注目であった。

中島は水城相手にも物怖じしない投球を見せる。中島は初回に2番林優に中前安打、3番永井 恭平に左中間を破る二塁打で一死二、三塁のピンチを招くものの、4番林涼を空振り三振、5番田代を左飛に打ち取り、ピンチを切り抜ける。

お互いランナーを出すが、なかなか先制点を奪えなかったが、4回裏、水城は一死から6番箕川の三塁内野安打、7番鈴木秀の三塁前犠打で二死二塁、8番海老根の三失、9番鈴木貴の死球で二死満塁のチャンスを作ると、1番川井の2点適時打で先制に成功する。水城の先発・永井が5回まで毎回6安打を打たれながらも、無失点に抑えて、2対0のまま6回を迎えた。

 永井を捉えそうで、捉えられなかった石岡一だが、6回表、5番喜古が中前安打で出塁、6番知久の右中間へ落ちる安打で続き、無死一、三塁のチャンス。7番鈴木が振りぬいた打球はセンターへ。センターがダイビングで捕りに行くものの、及ばず、喜古が還り、2対1に。無死一、二塁となって、8番岩本が絶妙な犠打を決めて、1死二、三塁のチャンスを作り、9番代打の田崎が三振に倒れたが、1番田中が左中間へ落ちる2点適時打で逆転に成功する。


石岡一vs水城 | 高校野球ドットコム

勝利を喜ぶ石岡一ナイン

 このイニングで水城の先発・永井は降板すると、7回から長身右腕・人見に交代。攻撃の手を緩めることなく、1死から4番長日部が左中間を破る三塁打で、再びチャンスを作ると、パスボールで1点を追加。

8回表には1死から8番岩本の四球、9番大橋の右前安打、1番田中の左前安打で1死満塁のチャンスを作ると、2番矢口がセンターの頭を超える走者一掃の二塁打で7対2と大きく勝ち越す。

石岡一の先発・中島は4回以降、安定した投球。130キロ前後のストレート、スライダー、カーブ、チェンにアップのコンビネーション。絶妙だったのは7回一死一塁の場面で、3番永井に対し、すべてチェンジアップを投げてライトフライと思えば、4番の林涼にはストレート中心で遊ゴロに打ち取るなど、打者の傾向によって攻め球を変えて、抑える投球術で翻弄。

彼が打たれにくいのは投球フォームにもある。彼はワインドアップから始動し、ゆったりと右足を引き上げてからバランスよく左足を立つ。踏み出す時に二塁方向へ送りこんでゆったりと踏み出す。

 

右肩の開きを抑えられ、角度よく腕を振り出すオーバーハンドなので、出所が見難く、打ちにくさを感じる。タイミングが取りづらい投手で、ここまで勝ち進むのも納得の好投手だ。

そして9回裏、最後の打者を空振り三振に打ち取り、ゲームセット。石岡一水城を破りベスト4進出を果たした。まさに番狂わせが起きたといってもいい。県立校の石岡一が永井を含め体格の良い選手が揃い水城に7対2の完勝。打線は14安打、中島は2失点完投勝利。試合内容は石岡一の完勝で、文句の付けようがない見事な試合内容だった。

準決勝では昨秋関東大会出場の霞ヶ浦と対戦。昨秋関東大会出場の好チームに対し、どんなゲームを見せるか注目してみたい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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