『野球ノートに書いた甲子園2』 取材秘話 ~長野西編~
クリスマスを過ぎれば、いよいよ冬休みがやってきます!グラウンドに立つ時間が短くなるこのオフシーズンの時期こそ、野球ノートを活用しているチームも多いようです。
今回、野球ノートに書いた甲子園2に登場する長野西高校も、野球ノートを通じて、お互いにどんな気持ちを持って今、グラウンドに立っているのかを確認し合っていました。そんな長野西の野球ノートの取材手記を今回はお届けします!
- 取材手記
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俳句が書かれた原山君のノート
「大黒柱」「原点」「我武者羅」「本物の四番」「奪」「主人公」「超越」「託す」・・・
色とりどりのノートの表紙には、大きな力強い文字が踊っています。
長野西高校の野球ノートには、取材当時(2014年1月~6月)、本人の名前が一切書かれていませんでした。書かれているのは、選手それぞれの熱い思い。
それだけで、大槻監督は、それが誰のノートなのか、中身を読めばすぐに分かったのです。
それほどまでに、選手の個性が溢れていた長野西の野球ノート。それは、ノートだけでなく、その個性をグラウンドでも存分に発揮していました。
そんな中で、野球ノートに書いた甲子園2では、39ページ目に登場する原山侑也くんのノートは印象的でした。
原山くんは、毎日ノートに、自分で作った俳句を書いていました。実際に、練習中でも、「今の気持ちを一句お願いします!」と言われれば、スラスラと生み出せるほどの特技の持ち主。
冬のどんなに辛い練習でも、そんな原山くんの発想力豊かな一句に、ナインも思わず笑顔に。右上の写真は、とある1月の原山くんのノート。投手陣で、この日、『1ヶ月1キロ増やそう』と目標を立てて、『食への意識も高めていきたい!』と自身の思いを綴ったあとに、この俳句を詠みました。今日の一句
継続は 食も同じさ 力なりこの原山くんの一句に、大槻監督は、こう赤ペンで書き加えました。
『もえあがる 背からみなぎるそのオーラ 雪をもとかす 原山の「本気」』思わず、微笑んでしまう、選手と監督のやり取り。
書く選手が本気なら、それを読む大槻監督も本気で返すのです。
野球ノートに書いた甲子園2では、第一章で、この長野西の野球ノートのストーリーが登場します!ノートを毎日、書き続け、大槻監督と心を通わせていく中で、意識が変わり、行動も変わって、最後の夏にはチームの大黒柱へと成長した選手もいました。その変化は、ノートの記述にもハッキリと表れていて、心震えるものがありました。その続きは、本編にて!
【野球ノートに書いた甲子園2】
Note1:野球ノートに書いた甲子園
…………長野西高校
Note2:頂点へと続くノート…………履正社高校
Note3:続・日本一、心を持った日誌…………都立小山台高校
Note4:父と作るノート…………前橋育英高校
Note5:捨てるノート…………須賀川高校
コラム:「野球ノートに書けなかった甲子園」…………高岡・窪川・中村高校西土佐分校・城山連合チーム
書籍タイトル:『野球ノートに書いた甲子園2』
著者名:高校野球ドットコム編集部
定価:1,000円+税
出版社:KKベストセラーズ
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